出版社内容情報
カモシカ山行の由来、沢と谷とはどう違う、川端康成・夏目漱石と山、日本でザイルが初めて使われたのはいつか、『単独行』に登場する加藤文太郎の友達とは、松濤明『風雪のビヴァーク』秘話など、登山史の“裏側”を丹念な調査で読み解く。
『岩と雪』に掲載された「山――陶酔と失墜」を特別収録。
内容説明
人は何を求めて山に登るのか。登山史に埋もれた人物、出来事を丁寧に掘り起こし、新たな光を与える。天性のソロクライマーを描いた「失われた記録―立田實の生涯」を収録。
目次
1 登山史の落としもの(“落としもの袋”;カモシカ山行の由来;パンとおソバと山と;愛すべき山の犬たち;上空から見た登山者 ほか)
2 山と人間(アウトサイダーの系譜;クライマーとしてのW・ウェストン;アルピニスト松涛明再考;失われた記録―立田實の生涯;人間・小西政継 ほか)
著者等紹介
遠藤甲太[エンドウコウタ]
1948年生まれ。詩人、エッセイスト。12歳のころから詩作と登山、岩登りを始める。谷川岳一ノ倉沢滝沢ルンゼ状スラブ冬季初登攀、一ノ倉沢αルンゼ冬季単独初登攀、カラコルム・ラトックI峰初登頂などの記録をもつほか、谷川岳や海谷山塊、雨飾山、明星山などの開拓に取り組んだ。雑誌『山と溪谷』では、長年にわたり「読者紀行」の評者を務める。2020年逝去、享年71(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Yasutaka Nishimoto
2
分厚い本。500ページ超。一昔というより、登山の黎明期から書かれた本。著者は一次資料にあたり、新聞のマイクロフィルムまであたり、カードにして分類したというが、どれだけの作業量であったか。また著者自身が一流のクライマーである。本書に収められている登山家達へのインタビューだけでなく、一緒に登った仲間であったりする。本当はもっとゆっくり読みたかった。章により書かれた時代や文体が違いよく分からなかったところもあった。だが読んでいるだけで幸せな気分にもなれた。2023/12/28
犬丸#9
0
★★★★☆ 軽妙なエッセイかと思って手を出したがなんかものすごいところに引っ張り込まれた。溺れながら読了。ヤマノボラーならみんなこれ読んで溺れるがいい!2023/12/03