出版社内容情報
大藪春彦賞受賞作家・樋口明雄が描く初のノンフィクション大作!
南アルプス北岳周辺にある5軒の山小屋(白根御池小屋、広河原山荘、北岳山荘、北岳肩の小屋、両俣小屋)の日々を描くノンフィクション。
小屋開け、山岳遭難救助、山小屋生活の日常、小屋番の素顔など、宿泊・通過するだけではわからない、山小屋の裏側を描く。
単行本刊行後、それぞれの山小屋では、経営の変動、管理人、スタッフの異動、小屋の改装や建て直しがあった。
これらの変化について追加取材、加筆し文庫化。
内容説明
日本第二の高峰、南アルプス・北岳周辺に建つ5軒の山小屋―白根御池小屋、広河原山荘、北岳山荘、北岳肩の小屋、両俣小屋。山小屋の現実を管理人や従業員へのインタビューを通じて描き出す、著者渾身のノンフィクション。単行本刊行後の変化を再取材して加筆。
目次
白根御池小屋
広河原山荘
北岳山荘
北岳肩の小屋
両俣小屋
著者等紹介
樋口明雄[ヒグチアキオ]
1960年、山口県生まれ。山梨県自然監視員。2008年に刊行した『約束の地』(光文社)で、第27回日本冒険小説協会大賞および第12回大薮春彦賞を受賞。13年には『ミッドナイト・ラン!』(講談社)で、第2回エキナカ書店大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぷるぷる
2
北岳エリアの山小屋を運営している管理人の方々へのインタビュー中心に山小屋の仕事や課題などを紹介しつつ、そこで働く人の人間模様を描くという感じ。山について文章で表現しようとするとどうしても情緒的になってしまうようで筆者の思いや熱が伝わってきます。泊まったり寄ったりした山小屋の話はなかなか興味深く読めます。山小屋の人に会いに行くというのも登山の魅力の1つであることがよく分かります。文庫版の出版に際して2023年時点の最新情報がくっついていてまた行ってみたくなる仕掛けがなされている。北岳は良い山だと思います。2024/10/10
m
1
還暦を過ぎ、中途半端な悔いだらけの過去を振り返る。山も然り。もっと山に接していたかったな~、と思いつつ読んだ。過酷な自然に対し常に謙虚な気持ちで臨む、山人達の物語。煩悩に浸りきって来た我が人生、事あるごとに他人を批判する現代社会、反省しながら読み進めると、登場する山人の自然や人に対する謙虚さが身に染みる。2024/12/15