内容説明
すべての生命の源であり、エネルギーに満ち溢れる「森」を舞台に描かれた珠玉の名作11話。
著者等紹介
手塚治虫[テズカオサム]
本名、手塚治。1928年11月3日、大阪府豊中市に3人兄弟の長男として生まれ、兵庫県宝塚市で青年期まで過ごす。大阪大学医学専門部を卒業して医者になるものの、漫画家およびアニメーション作家の道を選ぶ。1946年1月に「マアチャンの日記帳」(『少国民新聞』、現在の『毎日小学生新聞』)で漫画家デビュー。また、多数のアニメーション制作を手がけ、日本のアニメーション文化の礎を築いた。1989年2月9日胃癌の為、亡くなる。1994年4月、宝塚市に「宝塚市立手塚治虫記念館」が開設された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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T2y@
31
諸行無常、因果応報。収録作の一つ『火の鳥 異形編』も懐かしく読んだ。2021/05/05
スリカータ
25
山に続いてシリーズ2作目。単行本の漫画なのに、読み進めるのになかなか時間がかかりました。手塚治虫さんの描く動物が可愛くて好きなので、「八丁池のゴロ」が一番好き。狐が殺される場面は心が痛みました。ブラックジャックに掲載された「ナダレ」は、子供の頃は特に好きな話ではなかったのに、大人になって読み返すと人間の驕りや愚かさに対比して動物の汚れなき心が深く残りました。「火の鳥異形編」は史実と上手く絡めて面白い。先日、桜庭一樹さんの大地編を読んだばかりですが、時間を巻き戻すのは同じでした。2021/04/29
おーすが
12
「手塚治虫の山」に続いて「森」読了。「大将軍森へ行く」が何といってもよかったなあ。伝承や民話のもつファンタジーエナジーと人間のそぼくなやさしさみたいなやつ、ぐっとくる。「熟れた星」は風刺的にみえて、それ以上にロマンチックでもあるように思えた。これも好き。2022/04/23
ムーミン2号
11
ヤマケイ文庫における手塚アンソロジーの一冊(今まで全部で三冊)で、今回は「森」をキーワードとしたアンソロジーのようではあるが、テーマが「森」というわけではない。収められた11編のテーマはそれぞれ別々で、SFもの、『オンディーヌ』をベースとしたようなもの、科学ばかりを信望することの危険、スピリチュアル・テイストなもの、などバラエティ豊か。まぁ、共通しているのは描かれる森(=自然)の美しさだろうか。一方で過酷なそして逃れられない運命に従うしかない人間の哀しさは、読むも厳しく、全部読むのにわりと時間かかった。2021/03/10
れい
8
【図書館】初読みの短編集が多かったけど、人間の汚さと健やかさ、人生の無情さ、豊かさなど、混ざりあってなんとも言えない作風に仕上がっている。ブッダから運命を受け入れるアッサジの話、火の鳥から何度も自分に殺される運命を辿る八百比丘尼の話など、良いとこ取り。もっと読みたかったなぁ。2022/03/08