内容説明
98歳、山小屋をひとりで守る翁が作るおにぎり。標高2307m、雲の上のパン屋さん。苔むす森、リスが訪れる小屋の薪ストーブで焼く厚切りトースト。山と山小屋、ごはんを作る人と食べる人によって紡がれる18の物語を臨場感たっぷりの文章と写真で綴る。2008年に刊行、山の魅力を新しい視点でとらえ、多くの女性を山に誘うきっかけとなった単行本、待望の文庫化。
目次
車で行けちゃう。あした行けちゃう。(霧ヶ峰/鷲が峰ひゅって 特製インドカリー;西六甲 高取山/清水茶屋 自家製ドーナツ;志賀高原 横手山/横手山頂ヒュッテ きのこ雲スープ;信越 高峰高原/高峰温泉 限定手打ちそば ほか)
てくてく歩こう。森を抜けたらとんがり屋根が見えてくる。(北八ヶ岳/しらびそ小屋 薪ストーブトースト;那須連峰/三斗小屋温泉 大黒屋の夕食;奥高尾 陣馬山~景信山 清水茶屋のけんちん汁 かげ信小屋のけんちんうどん;丹沢 鍋割山/鍋割山荘 鍋焼きうどん ほか)
がつがつ歩くぞ。エキスパートな「山小屋ごはん」(北アルプス 剱岳・仙人池 仙人池ヒュッテの夕食)
著者等紹介
松本理恵[マツモトリエ]
1971年東京都生まれ。『山と溪谷』編集部、『ヤマケイJOY』編集部を経て、現在『ワンダーフォーゲル』副編集長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アキ
92
山小屋で食べるご飯はごちそうです。NHKラジオの石丸謙二郎の山カフェで、この本の中の西六甲、高取山・清水茶屋「自家製ドーナツ」を情感込めて朗読していて、気になっていました。表紙の写真もおいしそうです。2010年に単行本を刊行し、2017年文庫化した際に、既に物故になられたり、山を下りてしまった方もおられるが、この本の中では健在です、とあとがきで著者が述べておられます。コロナ禍で現状はもっと厳しいとは思うが、もし可能であるならば、北アルプス徳沢園のラーメンよりも、剱岳・仙人池ヒュッテの夕食を味わいたい。2021/10/03
ichi
21
【図書館本】山小屋の名物料理や夜ご飯が紹介されている本。山を登ってこそ口にできる美味しいご飯!どれも美味しそう。2018/07/01
roatsu
19
食材を担いで自分で作る山ご飯もいいが、各地の山小屋で用意してくれる手間暇と真心、そして物語が詰まったご飯のありがたさと美味しさが改めて伝わる一冊。多くの味のある写真が食欲をそそる。初版からそう古いわけではないが、文庫版でつく現在に関する注のカッコ書きが過ぎゆく時の流れを感じさせ、少し切ない。訪れたことがある小屋が多かったけれども、そんな物語があったのねと新発見があったり、休憩だけでご飯を味わっていないので次は泊まって是非、と今後の楽しみがまた増えた。大菩薩の丸川荘に今年はまた行きたいな。2018/03/17
あきあかね
15
剱岳の仙人池ヒュッテのように行くのがなかなか難儀そうな山小屋から、標高三百メートルくらいで気軽に登れる六甲の高取山まで、様々な山小屋のごはんが紹介されている。食材を運ぶのが難しいはずなのに、猪の鍋や近くで採れた筍の煮物、アツアツの鍋焼きうどんにシチュー、青梅のくずきりに自家製ドーナツなど、山歩きで疲れた登山客のお腹も心も満たす、心づくしの多彩なメニューが並んでいる。 二十年程前の本なので、山小屋で登山客をあたたかく迎えていたおじいさん、おばあさんで鬼籍に入られた方もおられたり、今はもう無くなって⇒2024/06/06
MASA123
10
図書館の「海と山」特集本コーナーにあった本。そういえば今日は「山の日」だ。 本書は、山小屋の食事を集めた本で、フランス料理、郷土料理、ラーメンなど、多種なメニューが紹介されているが、 装丁の「パンの朝食」が素晴らしい! 焦げたウインナー、目玉焼き、こんがりトースト、一片の皮つきリンゴ、茹でキャベツ、それらの中央にQBBベビーチーズ。完璧な配置、ベビーチーズが美しい。 ちょっと褒めすぎかな? どれも家にある素材なので、明日、作ってみよう。 2022/08/11