内容説明
月読、それは死者の最期の言葉を聴きとる異能の主。故郷を捨て、月読として生きることを選んだ青年、朔夜一心と、連続婦女暴行魔に従妹を殺され、単身復讐を誓う刑事、河井。ふたりが出会ったとき、運命の歯車は音を立ててまわりはじめる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
LUNE MER
16
神話の月読尊に関する本をサーチしているときに見つけ、月読尊は全く関係ないファンタジー混じりのミステリーということで興味が湧いたので手に取る。死に際しての最後の想いが残留思念として残ったものが月導(つきしるべ)であり、虹のような形や綺麗なレリーフなどバリエーション豊かな形で現世に残される。これは誰の目にも見えたり感じたりすることは出来るのだけど、想いの内容を読み取ることは能力を持つ限られた者・月読にしか出来ないという設定。この雰囲気は結構好きで、ミステリーとして巧く成立している作品だった。2022/01/12
れいぽ
15
ミステリーとファンタジーの見事な融合ですね~。太田さん初めまして。分厚さを物ともせず一気に読破させる文章力はさすがベテランの作家さん。人が死ぬ時現われる月導(つきしるべ)。それを読み取る月読。結浜市で起こった小さな事故と大きな事件がつなぐ意外な真相。面白くて一気に読みました。でも一番印象に残ったのは朔夜さんの淹れるこだわりの?ほうじ茶。香ばしい香りが鼻腔をくすぐりました(笑)2011/07/19
ぽこにゃん
10
もっと幻想的でようわからん世界な話かと思いきや、結構現実的?な事件解決ミステリで、思いのほかさっぱりと終わった感じでした。 死者の残した最期の想い「月導」、それを読む宿命にある「月読」たち、こうしたところは、なかなかに良かったです。2010/02/03
こげぱん
8
死んだときの想いが形になる月導とそれを読みとる力を持った月読という設定が面白かった。2つの殺人事件と過去の失踪事件が絡みあっていく展開も面白かったんだけど、最後の終わり方がなんとも拍子抜けな感じでした。うーん、惜しい。朔夜を主人公にした月読探偵みたいな続編があったら読んでみたいかな2010/04/17
スケキヨ
7
月導と親の身勝手・・・がテーマでしょうか。次作の「落下~」を先に読んでいたので世界観は受け入れやすかったです。ヒロインが自由気ままでちょっと参った・・・(どこまで勝手?)とか思ったり。でもあれくらいの奔放さがないと全体が昼ドラみたいになっちゃうか。「漠然とした月導」が多くて残念。個体の月導の美しい描写が楽しみだったのに。2010/03/06
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