内容説明
“アウトドアの伝道師”芦澤一洋が、愛用の“もの”を通して、自然と向き合う心と思想を語った『アウトドア・ものローグ』三十二編と、折々の山や自然に寄せて、人と自然のかかわり方を見つめた『自然とつきあう五十章』五十編を収録。アウトドア・ライフや登山のみならず、環境問題、社会思想から、古今の名著の世界にも自在に筆を運び、時を経ても新鮮かつ啓発的な名エッセー集。
目次
アウトドア・ものローグ(遠足愛好者の軽登山靴;足型寸法計測器具;ルックサック;遊歩人の杖;バックパッカーナイフ ほか)
自然とつきあう五十章(プラスフォーズ;山に入る人の服;白戸川の渓歩き;フリークライム;山旅とは ほか)
著者等紹介
芦澤一洋[アシザワカズヒロ]
1938年山梨県生まれ、早稲田大学卒。フリーのグラフィック・デザイナーとして平凡出版(現マガジンハウス)、小学館、山と溪谷社などで活躍。70年初頭、アメリカからアウトドア・ライフ、フライ・フィッシングを取入れ、日本にアウトドア文化を定着させる。76年雑誌「Outdoor」創刊、81年ジャパンフライフィッシング協会創立に大きな力を注ぐ。1996年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roatsu
22
自然遊歩を共にした愛する道具達に関するエッセイと、後半はかつて山と渓谷誌の表紙構成を担当されていた時の覚書集。今日の我々も見習うべき自然に対する瑞々しい憧憬や優しいまなざし、そして道具と使い方への独特のこだわりや哲学を育んだ教養など芦澤さんが遺してくれたスタイルに浸れる楽しい一冊。道具が日進月歩で簡便・高機能化する一方でどれほど多くの風情や余裕といったロマンが失われたことか、とも考えさせられる。200頁の菅沼達太郎の引用はまさに我が意を得たりの思いで深く感動した。こういう心意気を大切に自然に親しみたい。2018/04/02
takeapple
7
文庫になった時に買ったけれどもったいなくて読めなかった。高校生だった頃兄貴の部屋で見つけて読んだ後半部分は懐かしかった。50年前に書かれたとは思えないな。自然の中に身を置いて暮らすという生き方、自然を見つめて、自然と共に生きるというのが好きな人だったから共感できるのだろう。2023/02/09
tsubomi
3
2022.11.01(?)-2023.02.13(?):アウトドア用品やアウトドア活動における心構えや自然の中で生きる知恵や実際に生きている人々についてのエッセイ集。前半は道具の紹介で、情報としては古いけれども著者のこだわりが窺えます。後半のほうがより著者の自然とのかかわり方が理解できて、しかも共感できる点が多々。水源の大切さ、雪の森に生きることの困難さ、人類の知性と肉体が自然から試される領域。雪国に生活する者として腑に落ちる文章が多く、今後も読み返したい一冊です。2023/02/13
志村真幸
1
『アウトドア・ものローグ』は、軽登山靴、ルックサック、クライミング用ショーツ、マッチボックス、バード・コール、ラバーボトム・シューズ、ウール・スパッツなどアウトドア用品について語ったもの。 軽くておしゃれな文章だ。 『自然とつきあう五十章』は、登山、フィッシング、スキー、カヌーなどについての短文を集めた内容だ。大島亮吉、アメリカでの山火事の対処法、中央線鈍行列車といったテーマも。 芦澤さんのスタイリッシュな生き方が伝わってくる。 2019/05/15
zeeen
0
キャンプ先でランタンの下、読み直したい一冊。ずっと飽きないモノをいつまでも大切に使いたい。自主的な簡素さとは、いま流行りの「丁寧な暮らし」に通じるものを感じる。2018/02/25
-
- 和書
- ひまわりの約束