内容説明
登山者の高齢化に伴い、病気を原因とする山岳遭難が二十年来増加している。本書は心臓病、脳卒中など、症状が現われてから二十四時間以内に死亡に至る「突然死」の事故例を検証し、その危険因子を分析する。「突然死」の背景にある生活習慣病と日常の健康管理、登山計画と行動の注意点、救命手当まで、致命的な病気による遭難を防ぐための方策を専門医の指導をもとに詳細に解説。登山者だけでなく、健康が気になる人は必ず身につけておきたい知識をまとめた。
目次
急性心筋梗塞・伊吹山北尾根
急性心筋梗塞・小仙丈ヶ岳
急性心臓死・魚野川
出血性脳梗塞・チョ・オユー
心臓死・チョモランマ
山の突然死に潜む危険因子
著者等紹介
柏澄子[カシワスミコ]
1967年千葉県千葉市生まれ。登山全般および山岳地域に住む人たちをテーマにしたフリーランスライター。(公法)日本山岳ガイド協会認定登山ガイド(ステージ2)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
京都と医療と人権の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
66
山での突然死した状況と原因、対策をまとめたルポタージュ。このドキュメントシリーズは好きなのだが、本書は以前の物とはちょと毛色が変わった感じ。というのも本書に収められた死因のほとんどが心臓に起因するトラブルで、他のドキュメントシリーズ例えば雪崩とか天候とかの自然現象とは違い、現地での防御策がほとんど取れないから。対策も高血圧や糖尿、ストレスに喫煙と、実生活で気を付けるべき事と変わらないし。ただやはり事故当時の状況は読ませるし、一層健康に気を付けようという気にはさせられた。やっぱりまずは運動からかなあ。2020/08/01
Shoji
52
登山中の脳卒中や心筋梗塞などの突然死をケーススタディし、そのリスクヘッジについて書かれています。私は週末を待ちかねて山歩きをします。ごく稀ですが、大音量をまき散らすドクターヘリ、険しい林道をジムニーやパジェロを改造した緊急車両がサイレンを巻き散らかして走るのを見ます。山の突然死は滑落や遭難以上に、脳卒中や心不全が多いとか。その原因は生活習慣病であり、高血圧、高脂血症、糖尿病だと。このサイレントキラーたちには耳が痛い。生活改善せねば。私こそドクターヘリ、改造ジムニー、パジェロの世話になりかねない。やだやだ。2018/12/24
♡ぷらだ♡お休み中😌🌃💤
45
山での突然死5つのケースを取り上げ、そのリスクを減らす方策を検証。チョモランマのような高所登山のケースが恐ろしかった。体力が人一倍あり、できる限りの努力と準備をしてのぞんだにもかかわらず、突然死することもある。おそらく、高山登山という環境が持つ様々な要因が影響してといるのだろう。長く登山を楽しむためには、適度な運動と休養、栄養バランスの良い食事、規則正しい生活、禁煙などが重要。また定期的に健康診断を受けることも大切。これらは、登山する人だけに限らず、すべての人にも当てはまるということを気づかせてくれる。2019/09/10
hatayan
18
登山の最中に、心筋梗塞や脳梗塞で亡くなってしまった事例を集めた一冊。 中高年を過ぎると、体力や運動神経が衰えて、若い頃のように無理が利かなくなることは避けられません。普段の節制や適度なトレーニングを意識して危険な因子を取り除く努力をしながら、こまめに医師の診断を受けて体の状態を正しく知ること。登山中は準備運動や水の摂取を十分に行うこと。万が一のときに備えて、心肺蘇生などの応急手当の方法を知っておくこと。 登山は体に重い負荷をかける運動で、安全に山に登れることは贅沢なことですらあるのです。2018/10/27
タカボー
4
ほんのちょっと前まで、普通にしてたのにあっさり死んでしまうんだなあ。僕は一人で登ること多いから、その時は運命だと諦めるしかない。体調管理に気をつけよう、って戒めにはなったけど。2018/07/06
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