内容説明
遠くなる昭和の山村風景を舞台に、旅情ゆたかな表現と独特のユーモアをもって、渓流釣り文学に挑んだ山本素石。その著書のなかでも傑作として名高い『釣山河』、『遥かなる山釣り』、『釣影』、『渓流物語』に収録された作品より25篇を厳選。「山釣り逍遙」、「渓魚爛漫」、「釣師繚乱」の3章に新編集し、ていねいにまとめあげた一冊。秘話息づく、珠玉の釣り随筆がここにある。
目次
第1章 山釣り逍遙(テンカラ幽玄;越前のテンカラ師;紀伊半島縦断拾遺 ほか)
第2章 渓魚爛漫(イワナが移動する話;まぼろしのゴギ;韓国渓魚通信 ほか)
第3章 釣師繚乱(大物屋;大物がたり;名人 ほか)
著者等紹介
山本素石[ヤマモトソセキ]
1919年滋賀県甲賀郡(現・甲賀市)甲南町生まれ。天理教滋京分教会長、ノータリンクラブ会長などをつとめる一方、日本各地の渓流を釣り歩き、山村民俗と渓流釣りにまつわるエッセイを数多く発表した。テンカラ釣りの伝道師、ツチノコ博士としてもつとに有名。1988年京都市北区にて死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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CTC
6
ヤマケイ文庫3月の新刊。この本も昨年解散した朔風社の単行本だったものだ。著者略歴には「ツチノコ博士としてもつとに有名」とある。そうした含蓄のある内容を期待したが…まぁ釣り自慢のようなものだ。同じレーベルの村田久氏の『底なし淵』のような味わいや余韻、自然や他者への敬意が感じられず、天理教滋京文教会長の肩書きが泣くというものだろう。 著者の本を2冊同時買いしてしまったんだよなぁ。。ヤマケイ文庫はあまり外れがないと思っていたのだが…『底なし淵』が良すぎた、というところだろう。2017/06/18
鈴木正大
0
釣りエッセイは何でこんなに美しいのだろう。著者と言い芦沢一洋と言い素晴らしい文章だ。清冽な水と穢れのない大自然と愛しくなるような魚体を描いているからだろうか。だが一歩間違えると文章も臭くなってしまう。誰とは言えないけれど…2017/08/31
志村真幸
0
山本素石遺作集として新編集されたもの。『釣山河』『遙かなる山釣り』『釣影』『渓流物語』から計25篇が選ばれている。 収録されているのは、「紀伊半島縦断拾遺」「テンカラ幽玄」「韓国渓魚通信」「越前嶺南」「炭焼小屋のみやげ」「越前のテンカラ師」「山の音」「ヤマメ異変」など。さまざまな語り口の文章を集めたという感じだ。 山本素石について、その全体を味わいのにちょうどいい入門書だろう。 2019/12/15
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