内容説明
日本の山岳文化の集大成『日本百名山』はいかにして築き上げられたのか。“読み 歩き 書いた”山の文学者・深田久弥の厖大な著作の中から『日本百名山』に関わる紀行文、エッセーを選び、深田久弥が山に印した足跡と思索の道のりをたどる。文学を模索した若き日から、豊穣な紀行文学に至った晩年までの軌跡。
目次
利尻岳―利尻岳
羅臼岳―知床半島
斜里岳―斜里岳
阿寒岳―北海道の山と湖
大雪山―大雪山
トムラウシ―トムラウシ
十勝岳―十勝岳
幌尻岳―幌尻岳
後方羊蹄山―チセヌプリ
若木山―陸奥山水記〔ほか〕
著者等紹介
深田久弥[フカダキュウヤ]
1903年(明治36)年3月11日、石川県江沼郡大聖寺町(現加賀市)に生まれる。第一高等学校をへて東京帝国大学文学部哲学科入学。「新思潮」ほかの同人誌に参加。東大在学中に出版の改造社入社、編集生活を送る。25歳のとき小説「実録武人鑑」を発表、横光利一、正宗白鳥から認められる。1944年、陸軍少尉で中国戦線へ。1946年復員。戦後は、登山・探検関係を中心に執筆活動。1965(昭和40)年、『日本百名山』で、第16回読売文学賞(評論・伝記部門)を受賞。1971(昭和46)年3月21日、茅ヶ岳にて脳卒中で急逝(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やっちゃん
6
ダムに沈んだ奥只見や黎明期の幌尻岳など当時の山を感じられるのが楽しい。被りも多かったが何度読んでも楽しめる。読めない漢字が多くて難儀する。2021/10/31
金北山の麓に生まれ育って
1
【日本百名山の副読本です】百名山は格調高さがいささか鼻をつくがこの選集はのんびりゆったり良い感じの文章が並んでいるが、自分が登った登りたい山だけつまみ読み。家族で登るあの有名な雨飾山とか再婚スキャンダルをみじんも感じさせないのはさすがです。著者の半生を知っているか知っていないかで随分読後感が違うと思うもむ、今では百名山の人だがスキャンダルを起こして文学界で抹殺されかけたような問題のある人だったわけで、いまでは百名山の人としてここまで名声を得たがお墓の下で俺は文芸者だよと複雑な気持ちでため息ついてるのでは?2024/12/29