内容説明
交通機関が発達する以前、産業や開発、交易などの必要性から拓かれた人馬が通るための径は、その役割を終え、ふたたび山野に還りつつある。古の径をたどり、その成り立ちに想いを馳せ、廃滅を予感する、著者の筆が冴えるルポルタージュ十四編を収録。『山の仕事、山の暮らし』で、失われゆく山の民の姿を描いて絶賛された著者が、二〇〇五年に刊行した単行本を文庫化。
目次
八十里越―会津と越後を結んだ歴史の街道
津軽白神 マタギ道―日本海から遡上するマスを求めて通った人々
仙北街道―古代東北の謎を秘めた千年の道
越後下田の砥石道―信仰と産業が交錯した山岳世界
足尾銅山の索道―山上に消えた幻の集落を繋ぐケーブル道
奥利根湖岸道―首都圏の水瓶に残された文明の残骸
会津中街道―白湯山信仰の陰に隠れた不運な峠道
黒部川 日電歩道―電源開発のために拓かれた苦闘の渓谷道
松次郎ゼンマイ道―早出川に沿ってつづいた伝説の仕事道
北海道 増毛山道―陸の孤島を支えた開拓の道
米沢街道 大峠―海と山をむすぶ生命線、塩の道
熊野古道 小辺路―信仰によって結ばれた辺境の風土
鈴鹿 千草越え―一攫千金を夢見た鉱山の光と影
八十里越の裏街道―古道の織りなす原郷の風景
著者等紹介
高桑信一[タカクワシンイチ]
1949年、秋田県生まれ。電電公社からNTT勤務を経て2002年退社。「ろうまん山房」を設立してフリーランスに。主に取材カメラマン、ライター、渓流ガイドとして活動する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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