内容説明
1975年5月16日午後12時35分。エベレスト日本女子登山隊の副隊長・田部井淳子は、世界最高峰に女性として初めての足跡を記した。「白い山」にあこがれて山岳会の扉をたたき、憑かれたように週末ごとの山行を重ねた青春時代から、結婚し、母となってからも夢を追い続け、8848メートルの頂を極めるまでの半生を綴った初の著作。
目次
1 山との出あい
2 「白い山」と「めぐりあい」
3 「結婚」そして「友の死」
4 ヒマラヤ「夢」と「現実」
5 アンナプルナ「女のたたかい」
6 女だけの八八四八メートル
7 「撤退」か「前進」か
8 「タベイサン」頂上だよ
9 そして「これから」のこと
著者等紹介
田部井淳子[タベイジュンコ]
1939年、福島県三春町生まれ。昭和女子大英米文学科卒。大学時代に山登りを始め、龍鳳登高会に入会後、本格的な登攀を始める。1970年、女子登攀クラブのアンナプルナ日本女子登山隊に参加し、アンナプルナ3峰に登頂。1975年春にはエベレスト日本女子登山隊に副隊長として参加、女性で世界初のエベレスト登頂者となる。その後、81年シシャパンマ、91年ビンソンマシフ、92年にはカルステンツ・ピラミッドに登頂(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やな
14
純子のてっぺんを読んでいたので、あらすじはわかっていたが、あらためて田部井さんの偉大さを感じられた。こんな人はもう二度と現れないと思う。2020/02/02
り
14
女性らしいという言葉はあまり好きではなかったけれど、田部井さんはとても女性らしく魅力的だと思う。芯の強さゆえ、それに纏われた女性らしさが引き立つ。高い能力を持ちながら、努力の人である。その上で、明るい人柄ということが人を引き寄せ、運を引き寄せているように思う。本当に、圧倒される素敵さ。2018/01/08
Y.Yokota
9
やっぱり、登山記は良い。著者は女性として世界初のエベレスト(チョモランマ、サガルマータ)登頂、7大陸最高峰登頂を成し遂げた方。学生時代の話から登山に打ち込んでいく過程、谷川岳、アンナプルナⅢ峰、そしてエベレストを登るまで…どれもその熱意と行動力に圧倒される。楽しいだけではない、自然の厳しさ、自然を前にした人間の脆さも描かれている。しかしなんと言っても強烈な“生”のパワーが、ここには溢れている。自分に何ができるか、まだまだ試してみたい、と思った。2025/02/11
n.urabe
9
女性登山家の田部井さん。山行に励む日々と、ご主人との出会い、仲間の遭難死。登山用語がわかりづらい部分もあったけど、だいすきな山に挑み続ける姿は、とても自由で羨ましいと思った。2012/07/21
sau
6
「淳子のてっぺん」がとても面白く、御本人の著書も読んでみたいと思っていたけれど、とても魅力的な文章をお書きになる方だ。 田部井さんご夫妻の素敵なところって、与えられることをお互い当たり前と思っていないところだろうか。 まだまだ妻は家にいて家のことをやって当たり前の時代だったと思う。 妻だから、母だから、を理由にやりたいことを諦める言い訳にすることも出来る。何かをやらない理由なんていくらでも出てくる。背筋が伸びる本だ。 2022/08/192022/08/19