ヤマケイ文庫
ナンガ・パルバート単独行

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  • サイズ 文庫判/ページ数 380p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784635047296
  • NDC分類 292.58
  • Cコード C0175

内容説明

1978年8月6日。ラインホルト・メスナーは15kgのザックを背に、ひとりでベースキャンプをあとにした。目標はナンガ・パルバート、ディアミール壁。標高差約4000mの岩と氷の壁に挑んだ彼は、幻覚に悩まされながらも登頂し、死と隣り合わせの5日間を生き抜いて、帰還する。人類初の8000m峰完全単独行に成功した彼が、ヒマラヤ登山の常識を覆した登攀のすべてと自己の内面を鋭く描いた代表作。

目次

ナンガ(一人の男と一つの山;黒い孤独 ほか)
ティケ(夢は生きる;独り歩き ほか)
ディアミール(白い孤独;人の声 ほか)
ナンガ・パルバートの25年(ナンガ・パルバート年表/遠征隊一覧/登頂者一覧;一九三二年から三九年、悲劇の歴史 ほか)

著者等紹介

メスナー,ラインホルト[メスナー,ラインホルト][Messner,Reinhold]
1944年、南チロル(北イタリア)のフィルネスに生まれる。父親の影響で幼少のころから山に親しみ、ドロミテの岩壁や西部アルプスで頭角をあらわす。1970年にナンガ・パルバート登頂。以後、ヒマラヤを中心に数々の登攀活動を行う。1975年、ガッシャブルムI峰をアルパイン・スタイルで登頂。1978年、エベレストに無酸素登頂。同年、ナンガ・パルバートをベースキャンプから全行程単独登頂。1980年には単独、無酸素、アルパイン・スタイルでエベレストに登るなど、高峰登山につぎつぎと新しい地平を切り拓いてきた

横川文雄[ヨコカワフミオ]
1918年、東京生まれ。上智大学文学部独文学科卒業。長年にわたりドイツの山岳書の翻訳を数多く手がけ、日本の登山界の発展に貢献した。上智大学名誉教授、ワンダーフォーゲル部の部長も務めた。2000年4月13日、食道ガンのため死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

274
ラインホルト・メスナーによる1978年のナンガ・パルバート単独登攀記。メスナーは、その前年にエヴェレストの無酸素単独登頂に成功。さらには、その後8000m峰14座の全ての登頂を達成した。まさに超人的な登山家なのだが、本書が他の山岳記と違っているのは、単に登攀に伴う行程だけを書き記しているのではなく、途中での煩悶や夢想、死の一歩手前での決断など、内面精神の軌跡をつぶさに述べていることである。しかも、彼が単独山行にこだわるのは、名声のためではなく、最小限の装備で登ることで、山を傷つけないためでもあった。2024/02/14

のっち♬

112
弟を奪った山にベースキャンプから単独で挑む著者。背景に離婚が影を落としており、本書は単なる登攀記録ではなく限界状態に身を置くことで孤独や人生と向き合う彼の思索の軌跡だ。同行者や幻覚との対話も一役買っていて、心理的な弱さを反省しながら自主独立性の追求に繋げる。山頂の澄み切った静けさは無念無想の境地の表徴。「孤独は恐れではなく力なのだ」—生きる覚悟を決めた彼は思い切った下山ルート変更も果敢にこなし、前代未聞の単独行の重みに自分への信頼で見事耐え抜いた。このキラーマウンテンのドラマに満ちた登山史も読み応えあり。2022/03/05

サンダーバード@永遠の若者協会・怪鳥

66
人類初の八千メートル峰完全単独登頂に成功した超人ラインホルト.メスナー。彼がナンガパルバートのディアミール壁に挑んだ時の記録。標高差4000メートルの岩と氷の壁を行く。常人にはもはや想像もつかない世界である。★★★+

UNI/るるるるん

8
自身の生活にも孤独を感じ、山でさらに孤独を深める。孤独は恐ろしいものだが、恐れることを通じて「この世界を知りたい」と著者ラインホルトは思う。この人こそ本当に人生を山に例えていい人だ、とわたしは思う。雪を溶かしてすすり、コーンビーフを吐きながら、幻覚を見ながら山に挑む。なぜ山に登るの?という問いは、あなたはなぜ生きるの?という問いときっと同じだろう。 一ヶ月ほど前にボルダリングしてその体験を書いてみたいと思った自分がなんだか恥ずかしいが比べることもないだろう。なんでもやってみたらいいや。まだやってないけど。2019/09/26

ばろっさ

7
超人メスナーのナンガ・パルバート登山記。 実際に山を登る描写よりも、絶壁を前にした自身の逡巡や葛藤、対話が過半を占める。2020/01/19

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