内容説明
20世紀に至っても、アヘン問題はイギリス、インド、中国、そしてアメリカ、日本をめぐる国際政治の争点であった。外交資料を駆使し、語られざる歴史に光をあてた先駆的研究。
目次
序章 十九世紀のアヘン吸煙・貿易問題
第1章 アメリカ合衆国の登場
第2章 国際連盟の設立とジュネーヴ国際アヘン会議
第3章 ジュネーヴ会議後の改革
第4章 アヘン容認の終焉に向けて
終章 アヘンの規制とイギリス帝国
著者等紹介
後藤春美[ゴトウハルミ]
1960年生まれ。1993年東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得満期退学。1994年英国オクスフォード大学大学院博士課程修了、D.Phil.(近現代史)。千葉大学国際教育開発センター助教授
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感想・レビュー
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秋良
13
あのシャーロック・ホームズも吸煙していたアヘン。植民地の大きな財源になっていたアヘンを規制し、撲滅するまでの各国の動きや思惑を分かりやすく教えてくれる。人道的な理由だけでなく宗主国の経済力を削ぐのが目的だったり、国際社会へアピールのためにアヘン規制を積極的に進めたり。そして言わずもがな規制がされれば密輸が横行し、それには日本がかなり関わっている。実に興味深いので誰か小説として書いてほしい。現代の大麻問題と共通点が多く、一定の割合で依存体質や破滅願望を持つ人がいて、規制でどうにかなるような問題ではない印象。2024/07/26