出版社内容情報
19世紀から21世紀初頭の文化を通じた国際外交を論じた研究の論集。近代・現代の外交における「ソフト・パワー」の重要性を「文化」の視点で論ずる。日本を含めたイギリス、フランス、ドイツ、オーストリア、ハンガリー、イタリアなど広範な範囲を網羅する。
目次
第1部 近代における文化外交(第二帝政下フランス外交の異文化経験と対日理解;イギリスの文化・広報外交と軍事外交;ボスニアをめぐるハプスブルク帝国の文化外交戦略;皇帝と大統領のあいだで―外交官シュテルンブルクとドイツの世界政策;オーストリア=ハンガリー代理公使の見た明治日本―ハインリヒ・クーデンホーフの報告書を中心に;奥田竹松と信夫淳平のウィーン駐在体験―学術・言論活動への影響;副王になった外交官―インド総督ハーディング男爵とムスリムへの宥和)
第2部 両大戦間期から戦後における文化外交(在華軍事顧問団長ファルケンハウゼンと東アジア;ファシスト新外交の展開―一九二一~三五年におけるイタリアの対外文化政策;一九二一~六〇年におけるイギリスの対日文化外交;一九四五~六九年のフランス文化外交―マリアンヌをいかに売り込むか;西ドイツの対外文化政策における「第三世界諸国とのパートナーシップ」―『一〇のテーゼ』策定とハム=ブリュッヒャー政務次官)
講演 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団―二十世紀オーストリアの記憶の場