内容説明
再生のシンボルといわれる蓮や睡蓮は仏像の台座を飾り、イスラームのモスクは一面アラベスク文様で飾られる。豊穣のしるしである柘榴や葡萄をはじめとする果実文様は唐代以降の中国陶磁器でその精緻を極め、四季を象徴する日本の野の花は、みごとにデフォルメされて武具を彩る。世界に広がる植物文様の世界を楽しんでいただきたい。
目次
エジプト(そびえ立つ生命の茎;ナイルに咲く聖なる花 ほか)
地中海世界(地中海の風のなかで;うつわをめぐる草花 ほか)
西アジア(粘土に浮き上がるメッセージ;うつわに咲く花 ほか)
南アジア・東南アジア(谷間に咲く花;祈りのかたち ほか)
東アジア(花咲く東西交流;うつわに込められた幸福への願い ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ybhkr
1
エジプトから日本までシルクロードの植物文様。西よりではロゼッタが強い。検索をかけたら、ロゼッタよりもロゼットと呼ばれることのほうが多いらしいが、この本では一貫してロゼッタ。わたしも響き的にロゼッタのほうが好み。古鏡の装飾として植物が使われていることも興味深い。古鏡はかつて魔除けや呪術的な文様が多かったが、この本に掲載されているものは女性のための生活の品を美しく彩るための文様に思える。東の方では蓮が強い。水晶の中の蓮が美しい。これはぜひとも間近で見てみたいものである。2015/10/22
めぐみこ
1
建物の装飾から、アクセサリーに日用品まで。P66~P67の金更紗は圧巻。なんて絢爛豪華なのだろう。他にP15エジプト「金・紅玉髄・ガラス製髪飾り」のロゼッタ、P45西アジア「ラスター彩タイル」の花唐草、P49西アジア「白地多彩文皿」チューリップ・花・葉、なども美しく心に残った。中国の銅鏡より日本の鏡の方が綺麗と感じるのは、やっぱり「もののあはれ」に惹かれる国民性のせい?2014/05/22
Book shelf
0
植物がテーマだけに、資料は植物によって分けられているのが新鮮でした。あとは索引がついていればよかったのですが・・・