内容説明
中国式国家資本主義のゆくえ、経済成長にともなう格差と中国社会の変容、権力を内側から腐らせる腐敗と汚職、膨大な国防費を背景にした強大な軍隊…GDP世界第2位の大国に躍り出た巨大国家中国がいま抱える問題を分析!
目次
第1章 習近平体制のスタート(第一八回党大会;第五世代のリーダーたち;胡錦涛一〇年の遺産)
第2章 成長と安定を支える三位一体メカニズム(三位一体体制のチャネル;中国の議会―ゆらぐ立法権;党・軍関係―安定中国のアキレスの腱か)
第3章 共産党―エリートの党へ(「三つの代表」論の登場;二〇一四年の中共;新アクター―私営企業家)
第4章 政治社会の緊張(リーダーたちの不協和音;国有企業と「国家資本主義」;腐敗と反腐敗)
終章 グローバル大国の実力外交
著者等紹介
毛里和子[モウリカズコ]
お茶の水女子大学文教育学部史学科卒業。東京都立大学大学院人文科学研究科修了。専攻、現代中国政治、中国外交。現在、早稲田大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あきあかね
21
終わりの見えない香港のデモ、米中の経済摩擦、ぎこちない日中関係、それらの行方を知る足がかりになればと思い手に取った。百ページほどのコンパクトな本だけれど、近年の動向を中心に中国の政治体制の全体像を掴むことができる。「脅威」と「崩壊」のどちらにも振れることのない客観的な記述からは、「日中関係の理性的·安定的推移に役立ってほしい」という著者の真摯な想いが伝わってくる。 1950年代半ばから現在に至る、共産党·国家·軍の三位一体の「超安定型メカニズム」のように変わらない部分もあれば、⇒2019/11/09
Humbaba
0
強い権限を持った人がその権力に見合った清廉さを兼ね揃えている保証はない。また、最初の人はその能力を持っていたとしても後を継ぐ人間も同じような能力であることは稀である。権力があれば儲けの種になるために多くの人がそれを手にしようとするため結果的には腐敗の温床になってしまう事が多い。2016/07/13
かじやん0514
0
中国は冷静に見つめないといけない存在だが、どのように見られているか論点を紹介しつつ、概要をコンパクトにまとめている本。著者の主張にすべて賛同しないが勉強になった。2016/05/04
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