内容説明
世界の消費文化をリードしてきたアメリカ、その歴史を19世紀に遡り、通信販売の誕生から50年代の消費ブームをへて反消費主義にいたるアメリカ社会の特質を描く。
目次
序章 アメリカ的消費様式
第1章 「消費革命」から「市場革命」へ―十九世紀前半アメリカ北東部の消費をめぐって
第2章 通信販売とアメリカ社会―中西部農民の消費行動
第3章 消費文化の成立―大量消費社会におけるジェンダー・地域・人種
第4章 消費と国家―大恐慌・ニューディール・第二次世界大戦
第5章 五〇年代の消費ブームとそのルーツ―夢の実現と代償と
第6章 反消費主義から新しい消費文化へ―一九六〇年代以降のアメリカ社会
著者等紹介
常松洋[ツネマツヒロシ]
1949年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程中退。京都女子大学文学部教授
松本悠子[マツモトユウコ]
1952年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。中央大学文学部教授
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感想・レビュー
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Mealla0v0
4
19世紀末から1960-70sくらいにかけてのアメリカにおける消費社会の変遷を追った論集。かつて消費は浪費という悪徳と見做されたが、大量生産が可能になり市場に商品が溢れ、大量消費は自明、所与となっていく。それは伝統的な生活世界の変容を引き起こし、都市生活を生み出していくが、通信販売や農村の購買力の検討から広い影響力があったことが指摘される。消費社会は、実相としては格差を含み込むものであるが、一面には「民主化」=均質化をもたらした。だが、消費の単位が家族から個人へ移ることで消費は統合から分離の原理へ変化する2021/06/27