内容説明
占領下の新聞報道・地方巡幸・短歌などに着目し、昭和天皇のパフォーマンスを描く。
目次
第1章 昭和期の天皇行幸の変遷
第2章 終戦の表出と敗戦の証示・1945年
第3章 占領下・1946年のパフォーマンス
第4章 「象徴天皇制」へのパフォーマンス・1947年
第5章 危機にゆらぐアイデンティティ・1948年
第6章 パフォーマンスの再活性化と制度化・1949~50年
第7章 国民体育大会と象徴天皇制
第8章 戦後巡幸と象徴表現
第9章 5月連休と政治儀礼・1951~52年
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Toska
16
敗戦と明治憲法体制の終焉という未曾有の危機に接し、制度的な生き残りを図る天皇はいかに立ち向かったのか。その有力な手段となったのが、副題にも現れている「行幸」だった。まずは東京からの日帰り巡幸で探りを入れ、その後は経路も日程も増やしていく。戦前と異なる家族的な演出の導入。目的も「文化国家」日本にふさわしいものが求められ、最終的には植樹祭と国体への出席という形でシステム化された。淡々として盛り上がりに欠ける文体ながら、天皇周辺の試行錯誤と戦略を理詰めで論じていて読み応えがある。2024/06/19
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