内容説明
近藤重蔵と近藤富蔵、実の親子である。父は御家人の家に生まれ、国際情勢の変化や寛政改革の潮流に乗り、長崎や蝦夷地に活躍の場をえて旗本に昇進した。旗本の子として生まれた息子は父との確執を抱え出奔を繰り返した末、家へ戻り和解の直後に刃傷沙汰を起こす。結果、家は改易となる。刃傷沙汰の遠因は、幕閣内部の対立のあおりを受けた父の排斥にあった。寛政改革を契機に抜擢された旗本家の姿と、明治維新後におよぶ長い“その後”を描く。
目次
1 流人の島から
2 江戸の御家人
3 長崎出役
4 勘定方転任と蝦夷地派遣
5 御書物奉行から大坂御弓奉行へ
6 大坂御弓奉行罷免と槍ケ崎事件
7 流人と手代―富蔵の後半生と改易後の近藤家
著者等紹介
谷本晃久[タニモトアキヒサ]
1970年生まれ。学習院大学大学院人文科学研究科博士後期課程中退。専攻、日本近世史。現在、北海道大学大学院文学研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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