内容説明
「犬を愛護した五代将軍徳川綱吉」の政治は、「生類憐み」として知られる。のちの世からは犬を重んじ人命を軽視した異常な政策のようにみえるが、その根幹には徳川王権を神聖化するために、血の穢れや死穢を極端に忌避しようとした意図があったのではないか。百花繚乱の江戸文化がきらめく元禄時代に対して、天下人たる五代将軍はどのように向きあおうとしたのか。本書では、綱吉自身の目線から、その時代像を掘りさげていく。
目次
徳川綱吉と元禄時代
1 将軍就任前(戌年生まれの家光四男;綱吉の家族 ほか)
2 五代将軍への就任(将軍宣下;宮将軍擁立説 ほか)
3 元禄・宝永期の綱吉政治(徳松の死と服忌令の制定;生類憐みの政治 ほか)
4 徳川王権への道(ケンペルとの問答;儒学への傾倒 ほか)
著者等紹介
福田千鶴[フクダチズル]
1961年生まれ。九州大学大学院文学研究科史学専攻博士後期課程中途退学。博士(文学、九州大学)。専攻は日本近世史。現在、九州産業大学国際文化学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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