内容説明
「水戸黄門」こと徳川光圀は、端的にいえば戦国武将にも比すべき厳しい性格の人だったと思う。漢詩を作り和歌を詠み、思想家としても当代第一級の学識を備える一方、終生武人の矜恃と覚悟を忘れることはなかった。『大日本史』編纂をはじめとする諸種の文化事業も、実は、戦場で武勲を輝かす機会のなくなった太平の時代にあって、自己の名を後世に残したいと願う強い意志からでた行為だったのである。
目次
黄門漫遊話の虚実
1 生い立ちから襲封まで(誕生の秘密;成長のあと ほか)
2 藩主光圀とその事蹟(藩情と施政の方針;水道の敷設と寺社改革 ほか)
3 修史事業の展開(鵞峯との会見;史局陣容の充実 ほか)
4 「西山隠士」の10年(致仕とその事情;梅里先生の碑 ほか)
1 ~ 1件/全1件