内容説明
東大寺再建に活躍した重源と、臨済禅と茶の祖とされる栄西。通常、あまり注目されないが、この二人にはたいへん共通点が多い。たがいに面識があっただけでなく、ともに「源平内乱」という未曾有の社会的大変動を目の当たりにし、乱後のあるべき社会と仏法を求めて、東アジア規模で活躍した実践的な宗教者たちであった。両者をあわせみるとき、またあらたな歴史の視野が広がってこよう。
目次
重源と栄西をならべてみると
1 二人の出会いまで―山で修行の仏法者
2 重源と栄西の出会い―東アジア世界のなかで
3 内乱の時代を越えて―東大寺再建と造東大寺大勧進
4 重源から栄西へ
実践的宗教者の重源と栄西
感想・レビュー
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rbyawa
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f197、建築関係の本を読んでいた時に出てきていた栄西を目当てでこの本を手に取ったんですが、「全く重ならないと思われていた重源と親しい仲だったんだよ」というような内容で、ちょっと早まったかな、とは思うものの、そんなに難しいって内容でもないですね。なにしろ源平合戦の頃に燃やされた東大寺(と興福寺)の復興のための寄進を募った大勧進の初代が重源、2代目が栄西だったので、確かに明確な関係があると見ていいし。ただ、権力者と東大寺の関係がどうも曖昧にされてまして、大陸中国との行き来が可視化されてないので中途半端かも。2015/08/30