嗅ぐ文学、動く言葉、感じる読書―自閉症者と小説を読む

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嗅ぐ文学、動く言葉、感じる読書―自閉症者と小説を読む

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  • サイズ 46判/ページ数 310p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622090045
  • NDC分類 369.28
  • Cコード C0098

出版社内容情報

「この卓越した本を読む者は、真に読むということの驚異を感じずにはいられない。……本書は読書についての本だが、私がこれまで出会ったどんな本とも違う。」(S・クーシスト「本書に寄せて」より)
◆文学教授を生業にする著者が、『白鯨』『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』『心は孤独な狩人』などの名作を6人の自閉症者とともに読んだ読書セッションの記録。自閉症者は「心の理論」を持たない、想像による遊びができないといった偏見は早々に覆されるが、それだけではない。自閉症者がカテゴリー化される以前の「感覚」を通して物語と関わることで、鮮烈な小説体験をしていることが明らかになる。
◆おのおの独特の症状や経歴をもつ彼らの、物語への感受性はときに痛切とも言えるほど鋭敏だ。たとえば『白鯨』を読む第一章では、言葉を話さない自閉症の青年ティトが、どの登場人物よりも鯨に自分を重ねながら小説世界を「泳ぎ」、その感覚を詩に綴りはじめる。『白鯨』のモチーフはやがて、ティトと著者の生活全体を呑み込んでいく。
◆著者は近年の脳科学的知見にもとづいて、「神経多様性(ニューロダイバーシティ)と読書」というテーマをかつてないほど掘り下げている。そこでは、自閉症者と定型発達者、双方の読み方の特性が互いを逆照射し合い、読むという行為の尽きせぬ可能性が浮かび上がる。だからこそ、本書の読後に強く体感されるのは、多様な脳と交感する文学の力の無辺さだ。

内容説明

6人の自閉症者が文学教授とともに『白鯨』『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』『心は孤独な狩人』『儀式』などの文学作品に分け入った、読書セッションの記録。

目次

プロローグ―言葉の大河に浮かぶ私たちの神経の筏―DJ・サヴァリーズと読書
第1章 海のように揺らめく世界から―ティト・ラジャーシ・ムコパディエイ×『白鯨』
第2章 脳の天空―ジェイミー・バーク×『儀式』
第3章 アンドロイドと自閉症―ドーラ・レイメイカー×『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』
第4章 自分の足を見つけ出す―ユージェニー・ベルキン×『心は孤独な狩人』
第5章 当たり前を疑うために―テンプル・グランディン×『ミュート』『ジ・エクスタティック・クライ』

著者等紹介

サヴァリーズ,ラルフ・ジェームズ[サヴァリーズ,ラルフジェームズ] [Savarese,Ralph James]
研究者、エッセイスト、詩人。グリネル大学教授。講義テーマはアメリカ文学、創作、障害者福祉。著書に自閉症の息子DJの半生を振り返ったメモワールReasonable People:A Memoir of Autism and Adoption(Other Press,2007.Independent Publishers Gold Medalを受賞)、2012‐2013年、デューク大学脳科学研究所のニューロヒューマニティーズ研究グループに参加し、ニューロダイバーシティ(神経多様性)と自閉症に関する研究調査をおこなった

岩坂彰[イワサカアキラ]
京都大学文学部哲学科卒。教科書の編集者を経て翻訳家に。訳書多数。関西大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やいっち

65
良書。自閉症の理解をかなり豊かにさせてくれる。今年の(学術系では)トップ5かも。2023/10/21

みこ氏

19
私は「ブレードランナー」と「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」を愛しているので、第3章だけでも、と思い読んだ。知らないカタカナ語がたくさん出てきて読むのに時間がかかったけど、自閉症者の感覚の一部でも知ることができたのがよかった2021/09/28

アヴォカド

15
自閉症者がどうこう以上に、”読むとはどういうことか”について考えさせられた。私はどう読んできただろう。。。2021/10/17

まこ

9
自閉症患者との読者会でも、普通に感想を語り合う。その一方で、彼らの考えと今までの自閉症研究を照らしあわせて研究を進めていく。自閉症でない人も変わった感想持つことがあるから、特別扱いしちゃうのも。文学に触れることで価値観や感触が変わるの、もっと経験したいねー2022/10/03

急性人間病

5
超良書。脳科学的見地の紹介部はかなりハードで正直理解しきれてはいないが、「感覚と思考の調停役としての文学作品が、“思考の抽象化”に凝り固まりすぎた定型発達者・荒ぶる感覚に悩まされた非定型発達者双方にとって補完のきっかけになりうる」という主眼がASD当事者たちとの読書会から紐解かれる様子は刮目に値する。読んでいる間ずっと大江健三郎作品を想起してたのは、単に彼が障害者との生活を扱い続けているからではない。詩や歴史、語り部の口述といった記憶媒体との関わり方において非常にこの内容と重なるのだ。2021/08/28

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