内容説明
摂関政治に幕を引き、院政という新しい舞台を用意した後三条天皇。摂政・関白藤原頼通との長い政治闘争にたえぬいた結果、即位。最初に手がけたのは、焼けたままになっていた大内裏と内裏の復興であった。そのためには多大の経済負担が必要であった。それを延久荘園整理令の強行で乗りきり、みずからを荘園領主とくに摂関家の上に位置づけた。天皇の死後、それが天皇家への荘園集積をもたらし、やがて院を最大の荘園領主に押し上げる。
目次
時代を画する天皇
1 後三条天皇の即位
2 荘園整理令と記録所
3 内裏・大内裏復興
4 東北支配と河内・大和源氏
5 円宗寺と円融寺陵
6 後三条親政と院政
摂関政治の幕を引いた君主
著者等紹介
美川圭[ミカワケイ]
1957年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学。京都大学博士(文学)。専攻、日本中世史。現在、立命館大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。