内容説明
平安時代王朝貴族政治の代名詞ともいえる摂関政治。藤原良房は最初の摂政となって摂関政治を始めた。それは藤原氏の専権確立のためであり、良房は権謀術数を弄した策略家だったのだろうか。摂関政治成立過程の諸事件、摂政制の成立、天皇と摂政の関係などを史料に基づいて再考し、幼帝即位という天皇制の危機を克服し、安定した皇位継承に道を開き、天皇制を安定に導いた良房の歩みを、日本における古代から中世への転換の胎動、東アジアの変動を視野に跡づけ、摂関政治成立の意義を問い直す。
目次
桜花と望月
1 めぐまれた出発
2 承和の変
3 はじめての人臣摂政として
4 応天門の変
5 移りゆく時代のなかで
6 良房のあとに
著者等紹介
今正秀[コンマサヒデ]
1963年生まれ。広島大学大学院博士課程後期単位取得。専攻は平安時代史を中心とする日本古代・中世史。現在、奈良教育大学准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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在日宇宙人
2
承和の変、応天門の変の理解によい。関白という地位と職掌が確立される画期として、良房の後半生が述べられている。そこにはこれまで摂関の傀儡でしかないと思われた幼帝との良好な関係がある。反面良房その人の人となりには詳しくない。2016/04/09
司行方
2
平城太上天皇の変、承和の変、道鏡、応天門の変についての認識を新たにできた。2015/02/11
T
1
摂関政治の始めについて触れている。2019/05/26
samandabadra
0
主人公の人生と絡めて、摂関政治はこのように始まるの一節が披露されている。あまりなじみのない人物であったがとても勉強になりました。2022/10/31