内容説明
江戸幕府は、自らの政策を人びとに伝えるために多くの「お触れ」をだした。まず五代将軍綱吉治世下の一七〇〇(元禄十三)年、どんなお触れが江戸の町にだされたかをみてみよう。そこには誰もが知っている生類憐れみに関するお触れ、また日常の火事やゴミ処理に関するお触れなどさまざまなお触れがみられる。これらのお触れがどのようにつくられ伝えられたのか、さらにお触れという伝達システムがどのようにして生まれたのかを紹介し、最後に教科書でもよく知られている「田畑永代売買禁止令」や「慶安御触書」についての誤解を解きたい。
目次
お触れの時代
1 さまざまな「お触れ」―1700年のお触れ(1700年のお触れ;生類憐れみ関係のお触れ ほか)
2 「お触れ」の作成と伝達(御用部屋でつくられたお触れ;将軍の意向ででた鳴物停止令 ほか)
3 「お触れ」誕生まで(お触れに先行する高札;老中奉書をともなう高札 ほか)
4 お触れの諸相(「田畑永代売買禁止令」―全国令でなかったお触れ;全国令となった田畑永代売買禁止令 ほか)
著者等紹介
藤井讓治[フジイジョウジ]
1947年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程単位修得退学。専攻、日本近世史。現在、京都大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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