内容説明
個性豊かな武将たちが活躍した戦国時代。日本の長い歴史のなかでも戦国時代は有名で、よく知られたエピソードも多い。社会が大きく変わっていき、人びとの行動もいきいきしている時代というイメージもあるが、それでは一体、戦国時代をへるなかで人びとの思考の特徴や社会の仕組みはどのように変わっていったのだろうか。二〇〇年におよぶ変革の時代に起きた事柄を具体的に跡づけながら、日本史のなかでの戦国時代の位置づけを考えてみたい。
目次
戦国時代の位置づけ
1 下剋上の時代(光秀の謀叛をどうみるか;下剋上の萌芽;甲斐常治と朝倉孝景 ほか)
2 君臣関係の展開(立身出世の時代;主君と家臣の関係;大名からみた家臣たち ほか)
3 地域社会の成熟(中世の支配と課税;権力と百姓の対面;戦国大名と百姓 ほか)
戦国時代と現代
著者等紹介
山田邦明[ヤマダクニアキ]
1957年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。専攻、日本中世史。現在、愛知大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
くまくま
5
戦国時代とは何か、前時代は鎌倉、室町など場所を意味しているのに対し、社会構造を意味する。下克上や主従関係などポイントを絞り明確に述べられており、読みやすい入門書。2019/06/25
chang_ume
3
平易な解説。戦国時代に関する身分編成・支配体制さらに心性について記述が広がるも、もうちょっと各項目に踏み込んだ内容が欲しいと思ってしまった。とりわけ後半、大名の居住のあり方や領国支配の画期性はもっと深く読みたかった。分立から統一に向かう転機として、武田家滅亡をポイントとする言及とか。核心に近づきそうで、平易な説明のなかに力点が紛れ込んでしまうような。望みすぎかな。一方で、大名書簡の現代語訳は、超訳ともいえる大胆さでこれは新鮮でした(思わず笑ってしまった)。2016/12/01
ヨルマン
1
戦国時代と聞くとどうしても織田信長や武田信玄など、ある種「タレント的」な人物がたくさんいた魅力的な時代というイメージに留まってしまうが、日本史という枠組みの中での戦国時代の位置付けを考えると、実は画期的で新たな時代への橋渡し的な時代だったということが印象的。 数十年の間にここまで社会が変容した時代は明治と戦国くらいなのではないかと思う。そういった意味でも明治同様の「近代化」的な流れがあったのではないかと思うし、進歩主義的な考え方が蔓延していたのではとも感じた。2019/02/19
カラス
1
なかなかよかった。戦国時代入門という感じで、あの時代がどういう時代であったかが良くわかる。あれもこれもと欲張らず、下剋上・君臣関係・地域社会にのみしぼっており、おかげでわかりやすい記述。読んでいて印象に残ったのは、この時代は、支配者が地方に分散していた珍しい時代である、ということ。言われて見りゃ確かに、って感じで印象に残った。何しろ戦国時代なのだから、当たり前っていや当たり前なんだけどね。2018/04/08
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