内容説明
本書は昭和戦前期において衆議院議員、貴族院議員、農林大臣をつとめた有馬頼寧氏の日記を復刻したものである。
感想・レビュー
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こまったまこ
6
戦前は華族政治家として活躍し、戦後は中央競馬会理事長を務め有馬記念の名の由来の人物。その有馬氏がA級戦犯容疑で巣鴨プリズンに約8カ月収監されていた時の日記である。毎日1頁以上書かれており読み応えがある。内容は持病の神経痛の事、獄兵や医者への不満、同室者への不満、食事の不満、自分の愛人の心配、妻や息子の事、起訴の心配等々結構明け透けに文句や他人の批判、自己賛美を述べていて面白い。容貌風姿が優れているため妻や他の女性達に恵まれ自分は幸福過ぎたと述懐。他には過去と現在の政治や戦争責任についての随想が興味深い。2016/01/10