目次
合わせ鏡に映るスーフィズム
第1章 スーフィズムとは
第2章 愛を求めるスーフィズム
第3章 知を求めるスーフィズム
第4章 フロンティアと混沌の世界
第5章 スーフィズムを取り巻く環境の変化
第6章 タリーカの隆盛と論争
第7章 成熟の時代から近代化改革の時代へ
著者等紹介
東長靖[トウナガヤスシ]
1960年生まれ。東京大学文学部卒業。東京大学大学院博士課程中退。博士(地域研究)。専攻:イスラーム思想、とくにスーフィズム。現在、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科教授。主要著書『岩波イスラーム辞典』(共編著、岩波書店2002、毎日出版文化賞)
今松泰[イママツヤスシ]
1963年生まれ。神戸大学文学部卒業。神戸大学大学院博士課程修了。博士(学術)。専攻:オスマン朝史、とくに宗教史・文化史。現在、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科客員准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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bapaksejahtera
11
近年の原理主義の台頭とWW2以降ワッハーブ派の聖地支配の中で脇に追いやられ、時には異端視され弾圧の対象になったが、今日でもスーフィズムはそれなりの存在を主張している。本書はその歴史と概要を小冊子で著した物。イスラム哲学を極めた後スーフィズムに傾倒したガザリーやその後その思想的背骨となったIアラビーの存在一性論等の基本知識から、この運動がトルコ系諸族の在来信仰と融合しつつ拡大し、時の政治・イスラム権力と折り合いをつけつつ発展、更に後の困難を論及。今日残る教団の歴史的性格も判るが、初出用語の索引は欲しかった。2025/05/12
sovereigncountr
2
本書は、イスラーム・スーフィズム思想の大枠を論じた上で、オスマン朝期におけるスーフィズムの実態を紹介している。オスマン朝文化史の概説としても有益である。2024/02/02
按摩沙弥
2
セマーの優美さに誘われて、禅やキリスト教神秘主義、ユダヤカッバーラに極めて似ているイスラム教神秘主義哲学の辺に佇む。従来、認識されている排他的なイスラームのイメージが180度転換される。神秘主義は、異端視、非科学的で幼稚であると扱いは軽いが、統一されるべく絶対宗教としての役割は、重い。芸術や存在に、神の臨在を観るスーフィズムの思想には、霊的首肯を促された。2017/02/18
Go Extreme
1
起源と発展:クルアーン ハディース 禁欲主義 聖者信仰 タリーカ 外来説否定 知識探求 神との関係と愛の教義:神の愛 双方向的愛 神秘体験 恋愛比喩 ワインの象徴 詩的表現 合一 渇望 代表的スーフィーと文化:ルーミー イブン・アラビー アッタール スーフィー詩人 セマー 音楽 舞踏 トルコ語表現 教団の形成と社会的役割:タリーカ形成 アヒー組織 師弟関係 都市文化 支援活動 大衆化 宗教儀式 社会貢献 現代と歴史的変化:オスマン朝 政治的緊張 グローバル化 フルーフィズム 弾圧 対話促進 継承 教団論争2025/03/28