目次
第1章 イスラーム銀行の誕生
第2章 なぜ、利子はいけないのか
第3章 イスラームの経済思想
第4章 世界に飛躍するイスラーム金融
第5章 イスラーム金融のつくり方
第6章 イスラーム金融から世界経済が見える
著者等紹介
小杉泰[コスギヤスシ]
1953年生まれ。エジプト国立アズハル大学イスラーム学部卒業。法学博士(京都大学)。専攻、イスラーム学、中東地域研究、比較政治学。現在、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科教授、同研究科附属イスラーム地域研究センター長、日本学術会議会員
長岡慎介[ナガオカシンスケ]
1979年生まれ。東京大学農学部卒業。東京大学大学院経済学研究科修士課程修了。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了。博士(地域研究)。専攻、イスラーム経済論、イスラーム金融研究、比較経済思想・経済史、イスラーム世界論。現在、日本学術振興会特別研究員、京都大学東南アジア研究所研修員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゲオルギオ・ハーン
20
イスラム金融とその経済理論を説明した一冊。商人的な価値観を持つ宗教だけあって、シャリーア(イスラム法)の定めているところは面白い。取引は等価交換が基本。相手に損をさせて自分だけ得をする取引は適切ではない、故にお金を貸すだけで利益を得るのは公平ではないので貸した相手と一緒にリスクを背負って、一緒に儲けて、儲けを山分けするという理屈は自然に読めた。また、イスラム教世界は頑迷に価値観を守るわけではなく、世界的な金融の流れと調和するために法解釈をどうするか理論を組み立ててきたことも知れてとても興味深かった。2020/11/02
樋口佳之
20
商人の宗教とも表現されるのに利子を禁止していて、かつ金融として機能する仕組みとは?感想としては、これはなかなか良くわかりませんでした(^^;)。唯一「イスラーム金融では取引のなかに必ず実物商品を介在させる。この実物との結びつきの強さこそが、イスラーム金融の特徴とされることも多い」この見方を知る事ができました。2018/02/09
らっそ
8
1回読んだだけだとわからない仕組み。2019/12/01
佐藤丈宗
3
イスラームの教えは利子を取ることを禁じている。イスラーム銀行はその教えに則っているのだが、利子を取らない銀行など成り立つだろうか? 多くの人はそう思うに違いない。しかし、現にイスラーム銀行は成立しているし、世界的にシェアを伸ばしている。イスラームの歴史のなかで育まれた独自の商慣習や金融システムを再検討し、それを組合せながら現代の金融に堪えうる銀行を作っているのだ。先の金融危機にも動揺しなかったイスラーム金融は資本主義経済に対するオルタナティブになりうるのか? 可能性はある。2018/01/29
ブルーローズ
3
8月31日読了。利息がないということだけが一人歩きしているイスラーム金融。もちろん、ちゃんと成立するだけの背景がある、ってことがわかります。2011/09/08