内容説明
歴史を問うことは、現在そして未来を問うことでもある。先史時代から今日のマクロン政権までフランスという国の重厚で長大な歩みを一貫してとらえる。
目次
序章 フランスという「国」(世界のなかのフランス;環境的な諸条件)
第1章 先史時代からローマ支配下のガリアまで(先史時代;鉄器時代とケルト人 ほか)
第2章 ポスト・ローマ期から中世へ(「フランス」をつくる人々;ローマ文化の伝統、その転換 ほか)
第3章 中世フランスの国家と社会(カペー朝の試練;宗教心性と世俗文化の展開 ほか)
第4章 近世のフランス(絶対王政の成立と展開;近世フランスの統治システム ほか)
著者等紹介
福井憲彦[フクイノリヒコ]
1946年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。学習院大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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coolflat
15
85頁。メロヴィング国家の統治の仕組みは、基本的には最末期ローマ帝国の支配組織をできるだけ利用するというものであった。国王宮廷は、裁判や軍事の統率を任務とする官職担当者や国王の家政機関を擁し、中央機構を体現している。地方の統治はキウィタス(主邑都市)を拠点とする都市伯が担った。彼らは国王が任命する国王役人であり、中央から派遣されるのではなく、地方名望家層の衆望を担ったその地方の人物が、国王により任用されるのが実態であったらしい。地方ではむしろ主邑都市に拠点を置く司教が、より大きな権力をもって統治していた。2022/10/19
Hatann
9
先史時代から絶対王政期の近世フランスまでを素描する。近現代のフランス国家の枠組みは絶対王政期の国王主権が確立した範囲によって形成された。ローマから独立したフランク王国が分裂したのち、フランスは皇帝権や教皇権といった普遍的権力と距離を置きつつ、農業を中心とした経済地域として発展した。他方、16世紀ごろから宮廷や政治の場で使われたフランス語は、18世紀末にても約半数の民衆のあいだでしか使われておらず、独自の文化をもった自律的な民衆世界が多数併存していた。フランスの国民意識が登場するのはフランス革命以降である。2023/03/28
スプリント
8
ヨーロッパの大国として中世から存在していたフランス。 しかし体制は盤石ではなく宗教問題や他国との王位継承問題を抱えていたことがわかる。2023/08/05
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