内容説明
近代エジプトのウラマー、ムハンマド・アブドゥフの名をイスラーム世界で知らぬ者はいない。しかし、いったい何をなした人物なのかとなると知る者は少ない。この不思議な人物は、伝統と近代文明に引き裂かれる社会にあって、その二極分化の解消に努めた。彼の「中間を行く」姿勢は、現代イスラームがもっとも必要としているものを指し示しているようにみえる。
目次
引き裂かれる社会のなかで
1 青年時代
2 革命と国外追放
3 国民法廷判事とアズハル改革
4 最高ムフティーと立法議会議員
5 思想と運動の関連
著者等紹介
松本弘[マツモトヒロシ]
1960年生まれ。英マンチェスター大学文学部中東学科博士課程修了(Ph.D.取得)。専攻、エジプト近代史、イエメン地域研究、中東の民主化。現在、大東文化大学国際関係学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ふら〜
0
完全に若かりし頃(=高校生)の記憶が無くなってる…2016/08/21
佐藤丈宗
0
アフガーニー、リダーらとともに近代イスラーム主義の主要な思想家に位置付けられるアブドゥフ。彼の単独の伝記としてはおそらく日本で唯一。これだけでもこの本は貴重。西洋の支配にあえぐエジプトでイスラームの改革を目指した生涯を描く。「啓示と理性の調和」を目指し、彼の思想系統がサフィー主義に大きな影響を与えたことから思想家という側面ばかりが注目されているが、その生涯をみると極めて有能な行政官であったことがわかる。2016/07/05
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