内容説明
19世紀前半にエジプトを統治したムハンマド・アリーは、現代にいたるエジプトの祖型をつくった。しかし、彼の施策が照らし出すものは、エジプトを超えて非ヨーロッパ世界、さらにはヨーロッパ世界を含む当時の世界情勢である。本書では、近代エジプトの開明的君主であったムハンマド・アリーという人物の生涯を振り返ることによって、近代という時代の意味を問うてみたい。
目次
「ガゼルの目」をもつ人物
1 ムハンマド・アリーを生んだ東地中海世界
2 「ナイルの賜物」の国の変貌
3 国家機構の整備
4 帝国への野望と挫折
5 ムハンマド・アリー統治の評価
著者等紹介
加藤博[カトウヒロシ]
1948年生まれ。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士(一橋大学)。専攻は中東社会経済史、イスラーム社会論。現在、一橋大学大学院経済学研究科特任教授(名誉教授)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まー
7
ムハンマド・アリーのエジプト近代化政策は当時のオスマン帝国領を巡るヨーロッパ列強の思惑と時代の大き渦の中に飲み込まれてしまったんですね2024/05/03
スプリント
5
オスマントルコと帝国主義時代の欧州列強と渡り合ったエジプトの君主です。息子の早逝や欧州列強の連合など不運が重なり王朝は短命に終わることになりますが当時の世界情勢、力の趨勢などがムハンマド・アリ-の生涯を振り返ることで理解することができます。2015/04/22
中島直人
3
(図書館)マケドニア出身のアルバニア人?が、エジプトの王になる。知らなかった。2021/12/11
sovereigncountr
2
エジプトの近代化とムハンマド・アリー。その二つの難しい関係をよく表しているように思う。本書は、属人主義的な発想で叙述しているが、それがうまくいっていないように思う。2022/07/10
どうろじ
1
アリーよりも近代エジプトの国家機構についての記述が多いような?2017/07/24
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