内容説明
マキァヴェッリは、一般には目的のためには手段を選ばない権謀術策主義で悪名高い。一方、学問の世界では、彼の思想は重視され、その研究は膨大な数に上る。しかし彼の思想を中心に置くのではなく、彼の生きた時代に重心を置いて彼をみた研究は多くない。本書はマキァヴェッリの人生と著作をとおし、中世から近世への転換期をみる。そこには知の巨人としてではなく、時代に翻弄された一人の人間としてのマキァヴェッリがあらわれる。
目次
マキァヴェッリの虚像と実像
1 マキァヴェッリにおける伝統と革新
2 書記官マキァヴェッリ
3 共和政と君主政
4 歴史をみる目
5 近世の国家へ
著者等紹介
北田葉子[キタダヨウコ]
1967年生まれ。慶應義塾大学文学研究科博士課程修了、博士(史学)。専攻はイタリア中近世史。現在、明治大学商学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
中島直人
7
(図書館)バランスが取れていて、読みやすく分かりやすい。ただし、著者は余りマキァヴェッリが好きではないようだ。2019/03/12
Aya
1
チェザーレと知り合いだったと初めて知った時すごく驚いた2024/07/28
読人
0
「君主論」のお供にと思って手に取ったが、結局「君主論」読了後に読んだ。マキァヴェッリの人生や共和制を理想とする思想について紹介されていて「君主論」の内容が必ずしも本心ではなかったのかなと感じる。所属していた社会的階層が高くなかったというのは意外だった。やりたいこと(政治)を実現するのに苦労したんだろうな。死後、フィレンツェが君主国になったことを知ったらどう感じるんだろうか。2017/12/07
佐藤丈宗
0
彼の名を現代に伝えるは、その代表的著作である『君主論』によるところが大きい。その内容からマキャヴェリズムと呼ばれる彼の思想は権謀術数主義と訳され、悪いイメージがつきまとう。しかし、彼が同時期に著した『ディスコルシ』からは、強権的な権謀術数主義者というよりも共和政を志向する人文主義者という面が見える。この二つの著作と、盟友グィッチャルディーニとの交流などをひとつの軸としてマキャヴェッリの人物像に迫る。挫折の時期あって、これらの著書が生まれ、彼の名をして歴史に遺さしめたのは彼のいう「運命」なのかもしれない。2016/05/06
悸村成一
0
簡にして要…。図書館本。 123 #tokyofm でビートルズ・カヴァを聞きながら。2015/08/23
-
- 和書
- 図解電子工学入門