内容説明
米国史上初めての「敗戦」となったベトナム戦争。第二次世界大戦後の世界では「脱植民地化」が大勢となっていたにもかかわらず、ベトナム独立運動が共産主義者に主導されているという「冷戦の論理」で介入したことにその敗因はあった。それに対し米国内の反戦運動は内部に対立や停滞を抱えつつも、「冷戦の論理」を乗り越え、徐々に幅広い統一を実現し、ジョンソン政権を和平交渉に転換させる上で一定の役割を果たした。本書はこの反戦運動の紆余曲折の過程を概観したいと思う。
目次
今なぜベトナム反戦運動史を再考するのか
1 ベトナム反戦運動の始まり
2 反戦運動の新たな進展
3 10月21日ペンタゴン封鎖デモと政府内の動揺
4 テト攻勢の衝撃と和平路線への転換
5 ニクソン政権とベトナム戦争の終結
著者等紹介
油井大三郎[ユイダイザブロウ]
1945年生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。社会学博士(一橋大学)。専攻、アメリカ現代史・国際関係史。現在、一橋大学・東京大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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檜田相一
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「平和のために声をあげる」という行動は世界中で繰り返されてきた。その最も成功した例であるベトナム戦争反対運動で人々はどう行動し、政府はどう変わったかがまとめられている。市民の行動が政府を動かすとはどういうことかが見えてくる。米国人のプラグマティズムが運動の大同団結を可能にし、大きな運動を維持させた点は日本と対照的であるように思う。2025/11/06
higehage
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世の中がざわついてるときは先人の行いに学んでみよう、というわけで読んでみた。正しいことはしつこく声高に訴えるの大事。2022/03/03




