内容説明
中国では伝統的に儒教・仏教・道教の三教がそれぞれ独自の世界観を提示しつつ並存し、人びとはそれらを取捨選択しながら精神世界を形成してきた。このうちの道教については、知識人から異端扱いされてきたことや、経典類が一般に流通しづらかったこと、あるいは文化大革命で徹底破壊されたことなどから、詳しい研究が難しい状況が続いた。しかし近年ようやくさまざまな束縛が解け、正確な理解が可能になりつつある。
目次
中国史のなかの道教
1 道家と神僊
2 宗教的信仰集団と経典の形成
3 道教教理の大成
4 宋代以降の変貌
5 現代の道教
著者等紹介
横手裕[ヨコテユタカ]
1964年生まれ。東京大学文学部卒業。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。専攻、中国思想史。現在、東京大学大学院人文社会系研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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サアベドラ
11
儒教、仏教と並ぶ中国の三教の一つ、道教の歴史の簡潔なまとめ。道教は、正統である儒教がすくいきれない中国の民間信仰的、呪術的な儀式や思想・世界認識に端を発し、儒教や仏教のカウンターとして経典や組織を整えていったという歴史的経緯があるために、素人目にはなんとも実態を捉えにくい存在である。本書は100ページほどでありながら、そのような道教のかたちとその歴史的展開を丁寧に説明しており、漠然としてではあるが道教のイメージを形成するのに役立つ。なお、同著者によるより包括的な『道教の歴史』(山川出版社)がある。2017/04/10
こずえ
1
道教の入門書として良い
西夏
1
課題の本2。リブレットシリーズはその分野の素人に、少し詳しく、また概説的に書かれている。世界史で習ったもののその本質がイマイチ分からなかった道教の奥深さを覗くことが出来たように思う。2014/12/18
やな
1
道教について、時代を追ってまとめられた本。日本では道家思想については学校で習うが、宗教としての道教はあまり扱われない。だが、この本は代表的な人物や教理について簡潔に説明されていてわかりやすかった。2011/06/04
らっそ
0
道教の歴史の本2013/02/17