内容説明
核軍備の拡大競争が開始された第二次世界大戦後の数年間が、この書物のあつかう時代である。そのとき、核軍拡競争をできればさけたいと願い行動した人びとがいた。しかし、歴史は彼らの期待にそわなかった。実際の歴史がたどった道は、こころよいものではなかった。ただ、どれほどに不合理であったとしても、核競争が始まった時代の歴史を確かめなければ、われわれ自身の今日も展望できないであろう。
目次
バートランド・ラッセルの警告
1 核兵器開発か、原子力の平和利用か
2 原子力開発国際管理構想
3 国際管理構想の挫折
4 核競争の開始
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
YS-56
2
1945年8月、世界は、たった1発の爆弾が都市を完全に破壊した事実を知りました。核と核兵器が歴史の表舞台に登場したのです。本書は、冷戦へと向かう中で、世界が核とどう向き合うべきか(廃絶、世界連邦での一括管理等)困惑、苦悩した事を述べています。ところが、各国の疑心暗鬼と、自国の安全保障を優先する姿勢が、核兵器の開発競争を引き起こします。世界は、恐怖の均衡(相互確証破壊、正気を疑う表現ですね。)によって平和が維持され、それは1962年を恐怖の頂点として、今もなお解消されたとは言えない状況が続いています。2011/06/14
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- 和書
- ジェルめもりー