内容説明
現在、イスラーム世界では多くの宗教、民族紛争が発生しているが、その原因を何百年にもわたる宗教、民族対立に求める解説がいまだにあとを絶たない。しかし、それは紛争の現象面、宣伝文句にまどわされたものであり、実際には、これら紛争は、直接の原因を近代史の展開のなかにもつ、きわめて現代的な問題なのである。本書は、イスラーム世界の紛争の原因を、近代におけるイスラーム教徒の世界観と現実の国際政治、経済の展開とのあいだの齟齬の歴史のなかに追究する。
目次
1 イスラーム世界の統一性と多様性
2 西欧との出会いとその対応
3 イスラーム世界における民族主義の台頭
4 イスラーム世界の変容
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
サアベドラ
2
          
            著者曰く、「現代のイスラーム諸国の抱える民族・宗教問題は近代史の展開で生じたひずみが原因であり、本書の目的はそれを解き明かすこと」。オスマン朝とサファヴィー朝の弛緩と地方の自立から始めて、西欧列強の侵入、それに対する民族主義、神秘主義グループの抵抗運動、さらにアナトリア、エジプト両政府の改革と挫折を描き、ハリーファ(カリフ)制廃止の1924年を一応の区切りとする。20世紀前半で記述が終わっているので、著者の言いたい現代の問題との繋がりがいまいちわかりにくかった。2012/07/01
          
        刻猫
1
          
            近代化。世俗化と民族主義。国民国家と伝統的なイスラム世界。複合的なアイデンティティー。2015/12/04
          
        kapo54
1
          
            分かりやすい。2014/12/09
          
        tsuitsui
0
          
            表紙の普通の漁民とそれとは対岸にある高級マンション。 それらの対立はイスラームだけのものではありませんし、 ただイスラーム独特の課題も見逃してはダメなのでしょうね。2013/08/07
          
        sovereigncountr
0
          
            近代イスラーム思想の展開に目を配りつつ、中東近代史の見取り図を示した良書。教科書副教材という世界史リブレットの趣旨に忠実なレベル感になっている。2025/06/19
          
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