内容説明
フランス革命のなにが革命的だったのか?十数年前までなら、多くの人が、フランス革命の革命たるゆえんは、封建制を根底的に廃止して資本主義の順調な発展の条件をつくりだしたことにあると答えただろう。フランス革命はブルジョワ革命だった、と。では現在はどうだろうか?フランス革命のイメージは同じままなのだろうか?本書は、この問いに答えようとする試みである。
目次
フランス革命のなにが革命的だったのか
1 フランス命革へのまなざし
2 アンシャン・レジームの国家と社会
3 政治文化の革命としてのフランス革命
4 フランス革命とユートピア
5 フランス革命と抵抗・暴力
現在からふりかえって
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
125
L・ハント『フランス革命の政治文化』のおさらいとして読んだが、改めてこの革命の凄惨さと象徴的彩りについて考えさせられた。ユートピアや透明さを目ざして行われた数々の虐殺は、犠牲者の身体の切断や食人幻想に覆われている。そもそも前時代の絶対王制は文化に支えられつつ貴族・聖職者・ギルドとの取引に依存しており、社会の固定化が下の階層への「軽蔑の滝」を形成していたという。そうしたアンシャンレジームの政治文化に対する否定的な願望が生み出した新しい文化(シンボルや儀礼)は、王の処刑から恐怖政治まで至る所に読み取れるのだ。2019/11/10
新田新一
43
題名が面白いです。「革命の政治史」ではなくて、「革命の社会史」となっており、この革命が社会全体を変化させたことが分かります。前半に書かれる「名士会議」の役割が興味深かったです。王が集めた聖職者や将校などのことで、国王の諮問機関としての役割を果たさずに、国王と鋭く対立することがありました。このことから革命前に革命の火種が燻っていたことを理解しました。派閥同士の争いや過酷な人民裁判により多くの人が命を失ったことも書かれています。このような革命の残酷な面も、忘れてはいけないと思いました。2025/11/23
不羈
13
現代の視点からフランス革命を俯瞰し、解釈する。このようなアプローチは非常に好みである。2014/05/16
おっとー
12
リン・ハントの政治文化論に依拠しつつ、フランス革命がもたらしたアンシャン・レジームとの断絶の様相などを描く。この革命は「自由・平等」への道を開き、特権階級の影響力を削いで国民国家の方向性を打ち出すなど、近現代に通じる価値観を創造した。しかし同時に中央と地方、教育を受ける者と受けない者など新たな断絶を生み出すとともに、残酷な処刑も横行した。自由を目指して不自由になり、平等を目指して分断を生み、平和を目指して処刑する…理念の崇高さよりも、それへの陶酔がもたらす盲目的な矛盾にこそ目を向けるべきかもしれない。2021/07/29
ホウ
5
1997年出版で100ページもない本というのもあり、簡潔な記述である上テルミドールで話は終わってしまう。これではよくわからないのではないかなと思う一方、フランス革命に対する解釈は今尚現役の研究者である著者らしい視点の広さを感じた。2026/03/12




