感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
allite510@Lamb & Wool
8
「すべての宗教は真である」と宗教の垣根を超える言葉を語る人がいる一方、社会の隅々まで人々を規定し拘束するカーストが根強く残るインド。タイトルからは、市井の人たちがどのようにヒンドゥー教を受け入れ、信仰しているのかが書かれていると思ったのだが、そうではなかった。インド哲学、宗教思想の流れをざっと概観するにはとてもコンパクトでわかりやすい良ブックレット。2018/11/17
じゃくお
4
現代インドが直面している諸問題は地球全体が抱える問題と共通しており、その意味でインドは「地球の縮図」と言える。近代化以前のインドは様々な人種や宗教、文化が共生する社会であり、これからの世界がインドから学ぶ点は多いだろう。本書ではインド文化と思想を知る上で重要なヴェーダの宗教、バラモン教、ヒンドゥー教を簡潔に述べている。イギリス由来の合理化によってヒンドゥー社会が改革されていく点も解説しており、インドを学ぶために必要な知識が詰まっている本であった。2019/10/08
中島直人
3
(図書館)読了2023/02/19
ジャケット君
2
インド思想史の授業のため入門書に手を出した。中世のインドの宗教史は面白い。中世の頃からカースト制度の不可触民ないし低カーストは自らの差別的立場に納得いかず何らかの形で抗議をしている。ヒンドゥー教のほかにイスラム教やその他宗教が混在しているのも伝統的な差別から脱したいからと浅い考察を一つまみ。近代におけるイギリスの先進的な近代文明と触れその合理的思想を取り入れヒンドゥーと和合していくか、保守的な排外運動に熱するか。近代の思想家、運動家はどういう理論で多くの思惟をまとめあげるか試されていたのだろう。(次へ→)2024/10/09
ばらりん
1
第1章と第2章が一番面白かった。2章の「恋人に対するように神を愛し念じれば、救済がもたらされるとする教え」が一番印象に残った。一章のカーストについては、以前から知っていたこともあり、すんなり頭に入ってきた。2018/03/02