講義宗教の「戦争」論―不殺生と殺人肯定の論理

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講義宗教の「戦争」論―不殺生と殺人肯定の論理

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  • サイズ A5判/ページ数 264p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784634152472
  • NDC分類 160
  • Cコード C0022

出版社内容情報

なぜロシア正教トップは「プーチンの戦争」を称賛したのか!?イスラエルの入植活動を正当化するユダヤ教の「論理」とは?平和を尊ぶ仏教が戦争を容認する時と場合とは?コーランの「(不信仰者の)首を打ち切れ」はどう解釈されるのか……世界の宗教にはどのような「不殺生」についての「戒」や「倫理」があり、それが時と場合によりどのように「殺人肯定」「戦争容認」へと変化するのか。キリスト教(カトリック、プロテスタント、東方正教)、ユダヤ教、イスラームのほか、ゾロアスター教、ヒンドゥー教、ジャイナ教、仏教(初期仏教・上座部仏教、大乗仏教、日本の仏教)、中国の儒教、道教の各宗教を第一線の研究者が論考する。
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〈目次〉
序論 宗教と戦争を考える     [鈴木董]

第一講 キリスト教の戦争論     [黒川知文]
    ――聖書と神学、クリスチャン(トルストイ、内村鑑三、ヴェーバーほか)の言説から

第二講 宗教戦争と民族紛争の本質構造     [黒川知文]
    ――十字軍、三十年戦争、パレスティナ戦争など      

第三講 正教会(東方教会)の戦争論     [黒川知文]
    ――プーチン・ロシアにおけるビザンティンハーモニーの復活が意味するもの

第四講 ユダヤ教における聖戦     [志田雅宏]
    ――理念と実践のはざま               

第五講 イスラームは「戦争」をどう考えるか     [鎌田繁]
    ――クルアーンと古典的法学、「反体制派のジハード論」

第六講 ゾロアスター教の戦争イデオロギー     [青木健]
    ――「世界最古の啓示宗教」とサーサーン朝ペルシア帝国
 
第七講 ヒンドゥー教の古典にみる「宗教と戦争」     [杉木恒彦]
    ――クシャトリヤ(戦士)の役割と救い

第八講 ジャイナ教の不殺生戒と戦争     [上田真啓]

第九講 仏教と戦争――持たざる者の平和論     [馬場紀寿]

第十講 大乗仏教から考える戦争と平和     [蓑輪顕量]
    ――『法華経』『涅槃経』を手がかりに            

第十一講 「僧兵」から考える日本仏教と戦争     [大谷由香]

第十二講 儒教における「人を殺すべき場合」     [小島毅]

第十三講 道教と戦争     [横手裕]

総括 全講義を振り返って     [鈴木董] 

内容説明

なぜロシア正教会トップは「プーチンの戦争」を称賛したのか!?イスラエルの入植活動を正当化するユダヤ教の論理とは?平和を尊ぶ仏教が「武力の行使」を容認する状況とは?イスラーム世界でジハード(聖戦)はどう解釈されているか?世界の情勢や歴史を読み解くうえで欠かせない宗教と戦争の関わり。第一線の研究者らによる主要宗教の決定版的「戦争」論!

目次

序論 宗教と戦争を考える
第1講 キリスト教の戦争論―聖書と神学、クリスチャン(トルストイ、内村鑑三、ヴェーバーほか)の言説から
第2講 宗教戦争と民族紛争の本質構造―十字軍、三十年戦争、パレスティナ紛争など
第3講 正教会(東方教会)の戦争論―プーチン・ロシアにおけるビザンティンハーモニーの復活が意味するもの
第4講 ユダヤ教における聖戦―理念と実践のはざま
第5講 イスラームは「戦争」をどう考えるか―クルアーンと古典的法学、「反体制派のジハード論」
第6講 ゾロアスター教の戦争イデオロギー―「世界最古の啓示宗教」とサーサーン朝ペルシア帝国
第7講 ヒンドゥー教の古典にみる「宗教と戦争」―クシャトリヤ(戦士)の役割と救い
第8講 ジャイナ教の不殺生戒と戦争
第9講 仏教と戦争―持たざる者の平和論
第10講 大乗仏教から考える戦争と平和―『法華経』『涅槃経』を手がかりに
第11講 「僧兵」から考える日本仏教と戦争
第12講 儒教における「人を殺すべき場合」
第13講 道教と戦争
総括 全講義を振り返って

著者等紹介

鈴木董[スズキタダシ]
1947年生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了、法学博士。専攻はオスマン帝国史、比較史、比較文化。東京大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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さとうしん

9
世界の宗教は戦争、そしてその前提となる不殺生戒についてどのように議論してきたかをそれぞれの専門家が講義する。総じて当初教義レベルでは殺人を禁じ、戦争には否定的だが、国家とつながりを持つことで戦争を正当化するようになるという流れはおおむね共通しているようだ。徹底的な不殺生を説くジャイナ教が戦争については微妙な態度を採っていること、正教会の教権と俗権の一致の伝統がウクライナ戦争での教会の態度に影響を及ぼしていること、儒教の正戦論が戦前・戦中の日本の戦争観に大きな影響を与えているといったあたりが注目ポイント。2024/08/07

くらーく

2
その道の専門家を集めてこのような書籍を作れるって、素晴らしい事だと思います。日本ならでは?とは思わないけど、国教が決められて、それ以外は異教として排除されるところでは無理だよね。 内容は、他のレビューアーさんが書いているし、あくまで各宗教の戦争論に対する講義なので、他宗教との関連などは無い。基本的には、どの宗教も不殺生なのだけど、それが政治と結びつき、宗教の盛衰がかかってくると、解釈が変わってくるようですね。理想と現実なのか、妥協なのかは、その時々で変わるのでしょう。何のための宗教なのかねえ、と思います。2024/11/23

kun_maa(หมา)

1
世界の主要な宗教の『不殺生戒』と『戦争観』について第一線の研究者によるわかりやすい解説だった。最初は不殺生戒がある宗教でも宗教と国家・権力が結びつくと簡単に”聖戦”や”正戦”という考え方に結びついてしまうのだなぁ。2024/12/04

Go Extreme

1
宗教と戦争を考える: 不殺生戒 一神教系 キリスト教ー非戦論→聖戦論 キリスト教の戦争論 宗教戦争と民族紛争の本質構造 正教会の戦争論 ユダヤ教における聖戦 イスラームは戦争をどう考えるか ゾロアスター教の戦争イデオロギ ヒンドゥー教の古典にみる宗教と戦争 ジャイナ教の不殺生戒と戦争 仏教と戦争―持たざる者の平和論 大乗仏教から考える戦争と平和―法華経・涅槃経        僧兵から考える日本仏教と戦争 儒教における人を殺すべき場合 道教と戦争 天地創造神を奉ずる一神教の不殺生戒 輪廻転生論と不殺生戒2024/08/25

numainu

0
評価B2024/10/17

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