内容説明
昭和天皇は特攻をどう考えていたのか。戦況は昭和天皇に正しく伝えられていたのか。「終戦の聖断」そのときの天皇は―「ハル・ノート」から「サイパン陥落」「戦艦大和の沈没」、戦後の「沖縄メッセージ」「戦争責任論」までを気鋭の記者が読み解く。
目次
序章 『昭和天皇実録』とは何か
第1章 『昭和天皇実録』にみる新発見
第2章 太平洋戦争開戦まで
第3章 太平洋戦争敗戦まで
第4章 そぎ落とされた肉声
第5章 戦後の動向をどう伝えたか
著者等紹介
栗原俊雄[クリハラトシオ]
毎日新聞学芸部記者。1967年生まれ。東京都出身。早稲田大学政治経済学部政治学科卒、政治学研究科修士課程修了(日本政治史)。96年毎日新聞社入社。横浜支局などを経て2003年より現職。2009年、毎日新聞連載記事「戦艦大和」と「シベリア抑留」によって、第3回疋田桂一郎賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
15
『昭和天皇実録』を読んでみたいと思う気持ちが少し押さえられました。このような国家的資料は編纂者の意思を極力少なくした方がいいのにと思いました。内容としては第5章が面白かったです。2022/01/07
金吾
12
元首である天皇に正しい情報を入れていなかった実態がよくわかりました。軍が目立っていましたが軍以外も同様でしょう。ただ軍は天皇の軍隊を自称していたのだから尚更たちが悪いと感じました。しかし特攻隊への天皇の対応も正確に流布させなかったのでお互い様かなとも思いました。2020/07/23
CTC
6
著者は毎日新聞記者。岩波や中公で昭和史について入門書の好著がある。この本は14年9月に公開された“実録”の取材班の一員だった著者が、山川出版社から上梓したもの。“独白録”やその他の資料と比較して“実録”の性格や昭和天皇の戦争責任について考察している内容は、耳に痛いながらも異論もないが、さりとて新しい話もなくて、少なくとも歴史の専門版元が単行本で出す価値もなかろうと思う。著者の本は若干感情が入るのが特長なのだが、この本では成功していない。戦況は正確に陛下に届いていなかったのだから、そういう事を忖度せねば。2016/01/19
おけいさん
4
歴史に「if」はないとは言えど、戦争を回避する機会がいくつもあったということに無念の思いを感じた。こんなことがあったから、人の上に立つ人の発言の重さを、今上天皇は厳しく自覚しているのだろう。「実録」といっても当然編集者の意図が入っていることに改めて気づかされた。2015/11/21
wearnotequal
1
戦中から戦後にかけて昭和天皇の様子を克明に描写。軍隊幹部からは水増しされた戦果報告。東京大空襲後の天皇巡視では事前に巡視路から死体が見えないよう片付け。これでは正しい判断が下せるわけがない。2015/11/14
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