内容説明
新たな時代区分の試みと文学作品をひも解くことにより、新しい歴史像を描く著者渾身の一冊。「思潮」とは時代を映し出すものの見方や考え方。本書は、万葉集・古今和歌集・枕草子ほか、多くの古典文学を通して「思潮」を浮き彫りにし、その時代を明らかにする。
目次
1 国づくり―『古事記』と『魏志』倭人伝
2 統合の仕掛け―『日本書紀』と『宋書』倭国伝
3 文明化の動き―『日本書紀』と『万葉集』
4 制度の構築―『万葉集』と『懐風藻』
5 習合の論理―『日本霊異記』と『続日本紀』
6 作法の形成―『伊勢物語』と『竹取物語』
7 開発の広がり―『古今和歌集』と『今昔物語集』
8 風景を描く、映す―『枕草子』と『源氏物語』
著者等紹介
五味文彦[ゴミフミヒコ]
1946年生まれ。東京大学文学部教授を経て、放送大学教授。東京大学名誉教授。『中世のことばと絵』(中公新書)でサントリー学芸賞を、『書物の中世史』(みすず書房)で角川源義賞を受賞するなど、常に日本中世史研究をリードしてきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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AR読書記録
6
やっぱり歴史を書こうとすると事実を羅列していくだけでもそれなりの量になるもんだから、その中に文学も入れていこうとすると、ちょっと忙しい... ので、日本史の復習的な気持ちでなんとなく読んでたけど、章の最後に、その時に生まれた(定着した)日本人の心性(からなる制度・習慣等)が、ずっとのちの時代にも繋がってるんだよ、と提示されるところは、ふむぅ!となりますのう。2016/05/02
たっきー
0
教科書的日本史読本って感じ。古代から日本史を概説的に学びたい人にはいいかも。内容的にはそんなに深くない。文学を読みながら歴史を辿る。でもここに挙げられている以外の書物でどう歴史を辿るのだろう。古代なんて記紀しかないだろうし。他の歴史書も引いているがこのご時世、文学だ歴史だと分けるべきではないだろう。2015/07/29