内容説明
「恋は貴族、闘いは武士」と考えるのが一般的だが、人は誰でも抵抗もすれば恋もする。いつの世も時代を超えて、人びとは切ない想いとともに苦悩する。世俗への抵抗、暗殺の謀議、恋の復讐、密会現場の惨劇など、これまで正史ではあまり語られることのなかった史実から新たな中世を描く話題作。
目次
第1部 恋する武士(王朝武士の色とりどり;鎌倉武士の懸想;動乱期南北朝と修羅の恋)
第2部 闘う貴族(王朝貴族と闘いの諸相;公武体制と王朝貴族たち;動乱期南北朝の貴族たち)
著者等紹介
関幸彦[セキユキヒコ]
日本大学文理学部教授。1952年生まれ。学習院大学大学院史学専攻後期博士課程満期退学。学習院大学文学部助手などを経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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遊未
10
平安から南北朝まで。タイトルを見てそれほど意外な物語があるのかな?と。武士の部の夫婦関係は恋ではないし、貴族はやはり政争。時代が下るほど家系図は枝分かれし複雑になり血縁も絡まり、さらっと知ってる程度ではどうにもなりません。もう少し人物絞ってまとめてあれば…と感じました。2020/09/07
ばしこ♪
8
恋する武士、闘う貴族。あなたのイメージはきっと反対ではありませんか?武士の女々しさ、貴族の雄々しさ。そんな部分にスポットライトをあて、平安、鎌倉時代を読み解きます。和歌から得る情報は非常に多く、解釈の楽しさを感じる。2016/10/14
読書実践家
7
普通逆だろというタイトル。和歌の役割の大きさを知った。2016/02/15
珈琲好き
6
恋する武士編は想像の範囲内というか、みんながイメージする武士像+人間味のある説話集という感じのあるある列伝だったが、闘う貴族編は、同僚を殴ったり海賊と闘ったり和歌で身を立てたり生涯を裁判に費やしたり京都に見切りを付け新天地鎌倉で出世したり尊氏を滅ぼしかけたりと、貴族の生態が精彩に富んでいて面白かった。2018/01/06
グラコロ
6
闘う貴族といえば〝柳生一族の陰謀〟で成田三樹夫が演じた烏丸文麿がインパクト大だった。専門用語が多くて一般読者には読みにくいかも。〝殴りあう貴族〟のほうが面白かったなあ。2016/04/06