内容説明
異端の東国政権が正統の地位を与えられてゆく、挙兵から上洛にいたる内乱の十年。頼朝、そして参じた武士、義経や後白河院、奥州藤原氏…鎌倉があり、京都があり、そして平泉があった。ひとつの時代を創った人物は、同時にその時代によって創られる。平凡なこの真実を、頼朝というひとりの人物からさぐる。
目次
第1部 治承四年―反乱から内乱へ(謀叛の政権;武威の来歴と源氏神話;義仲との覇権争い)
第2部 文治元年―鎌倉殿は誕生した(鎌倉殿とは何か;天下草創の時代)
第3部 建久元年―そして日本国の成立(鎌倉殿のさらなる戦い;内乱の終焉と日本国)
著者等紹介
関幸彦[セキユキヒコ]
1952年生まれ。学習院大学大学院人文科学研究科史学専攻博士課程修了。学習院大学助手、文部省を経て、日本大学文理学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Kiyoshi Utsugi
33
源頼朝の一生を描いたものではなく、頼朝が挙兵した治承4年(1180年)から上洛した建久元年(1190年)の10年を描いたものです。 それだけに内容が濃いです。 この10年を以下の3部に分けて解説しています。 ・治承4年 反乱から内乱へ ・文治元年 鎌倉殿は誕生した ・建久元年 そして日本国の成立 描かれてるのは1990年までなんで、1192年征夷大将軍になるまでになります。 ただ、守護・地頭の設置までは描かれてます。 この時代は知らないことが多いから、いろいろと勉強になりました。2021/05/09
金吾
19
頼朝の挙兵から政権確立までが書かれています。頼朝の思考を追っているような部分があり面白かったです。2025/05/16
スプリント
4
鎌倉殿成立までの過程が解説されています。 政権の基盤となる守護や地頭の制度などにも触れてあり室町から戦国へ続く有力な国衆や大名の祖先の動向も知ることができます。2024/11/30
ひでっち
2
源頼朝を知ったのは、小学生の頃にNHK大河ドラマ「草燃える」を見たときでした。それ以来、日本史の中で最も興味のある人物です。小学校の歴史の授業では、鎌倉幕府の成立=>征夷大将軍に任ぜられた1192年というふうに単純に習ったのですが、そんな単純なものではなかったんですね。確かに、征夷大将軍というのはあくまで権威付けで、幕府の基盤というか下地こそが重要なのだと感じました。2013/04/20