出版社内容情報
「モデルベース深層学習」は、アルゴリズムの性能を改善する技術として、無線通信や微分方程式モデリングの分野において注目されています。この技術は、推論器を構成するという観点から見た微分可能プログラミングともいえます。
従来の深層ニューラルネットワークに基づくアプローチと比べて少量のデータからの学習が可能、分野固有の知識を有効に活用できる、高い解釈可能性をもつ、といった長所があり、その応用分野は信号処理、画像処理、最適化、制御系などにも広がっています。
本書はモデルベース深層学習と、それを反復アルゴリズムに適用した「深層展開」について、考え方と技法を詳しく解説。読者のバックグラウンドによらずスムーズに入門できるよう、深層学習のまとめから始めています。
また、Julia言語による参考コードを示し、技法を体感しながら読み進められるよう配慮しています。さらに、幅広い研究に役立つよう、アルゴリズム設計の考え方や多数の応用事例を紹介しています。
目次
第1章 モデルベース深層学習と深層展開
第2章 深層学習の基礎
第3章 反復最適化法と深層展開
第4章 逆問題と深層展開
第5章 モデルベース深層学習・深層展開の研究動向
第6章 微分方程式と深層展開
著者等紹介
和田山正[ワダヤマタダシ]
1991年京都工芸繊維大学電子工学科卒業。2010年名古屋工業大学大学院工学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Hiroyuki
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アルゴリズムの最適化を検討していたため読んでみました。構造的にパラメータの微分が可能なアルゴリズム(広義には、最適化を行おうとするパラメータに関して、ソフトウェアの自動微分機能を利用可能なアルゴリズム)の最適化について多くの実例を用いて解説されています。GD法やISTA法といった汎用的な数値最適化手法への適用事例から、無線通信のアルゴリズムへの適用事例まで仕事と関連しそうな内容が盛りだくさんでした。サンプルコードを参考に、自分で手を動かしながら学ぶのがおすすめです。2024/08/15