出版社内容情報
本書は、地域史研究の視点から、地域社会と幕藩権力(維新権力)との関係を立論した一九本の論考を収める。第一部近世村落と地域社会、弟二部藩体制と地域社会、第三部対外認識と地域社会の三部構成である。
目次
第1部 近世村落と地域社会(維新権力と民衆の対応―武州多摩郡関前村・関前新田の名主忠左衛門の建言書とその背景;天保年間・山川知行所騒動の展開とその特質;天保の飢饉における名主の救済活動―武蔵国都築郡王禅寺村を事例として ほか)
第2部 藩体制と地域社会(藩主代替りにおける「御上国」と領民―尾張藩を中心に;「御預」大名の生活と家臣団―越後騒動後の松平光長家;那須家再興・昇格運動と津軽信政・柳沢吉保 ほか)
第3部 対外認識と地域社会(近世前期長崎奉行の司法管轄―犯科帳の分析を中心に;江戸中期のキリシタン研究―村井昌弘著『耶蘇天誅記』前録から;唐船打ち払い体制の成立と展開―享保期の抜荷取締対策を中心に;幕末期長崎市場における銀主の位置―高利貸商人高見家を事例として)