出版社内容情報
対偶に富み、詞藻豊かな文学とされる賦を集めた『文選〈賦篇〉』。本書では「江海」「物色」「鳥獣」「志」「哀傷」「論文」「音楽」「情」からそれぞれの賦を紹介する。
内容説明
昭明太子の文学理念は「沈思翰藻」にあるといわれ、意匠を凝らして文辞を飾ることを高く評価している。『文選』の編集に際しても、この理念が選の規範となっている。対偶に富み、詞藻豊かな文学とされる賦を集めた『文選(賦篇)』であるが、本書では「江海」「物色」「鳥獣」「志」「哀傷」「論文」「音楽」「情」からそれぞれの賦を紹介する。
目次
江海
物色
鳥獣
志
哀傷
論文
音楽
情
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
miyuki
2
『文選』の賦篇の後半部分からの摘出。取っつきにくい賦という文芸だが、後半部分は抒情的かつ小規模の作品も多く、さらに読みやすい。 前半よりも普遍的なもの(自然、楽器など)や、人の考えが題材となっており、特に陸機「文賦」は、文学理論を賦の形にして述べたもので、簡潔に要点を表した非常に優れた作品。今の文章作法にも応用が効くところもあるのではないかとも思われてくる。 宋玉の作品など、もちろん神女たちの幻想的な世界を描いているものもある。どれも文学作品として一級のものとしてみなされていたのがうなづける。2020/12/28
-
- 和書
- 万葉の世界とその周辺