内容説明
『十八史略』は、『史記』など中国の正史十七種と、宋代の史料一種の併せて十八の史書から、中国四千年の歴史の概略を読みものふうにまとめた通史である。我が国では、詩の『唐詩選』、思想の『論語』、詩文の『古文真宝』などとともに初学者用の歴史のテキストとして広く読まれた。大きな影響を与えただけでなく、今日通用している故事成語・格言の出典として知られる。
目次
三皇
五帝
夏
殷
周
呉
魯
晋
斉
趙〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
coolflat
13
『十八史略』は、上は三皇・五帝から下は南宋の滅亡に至るまで(本書は安史の乱まで)の四千年の歴史を編年体で簡潔に興味深く概説した書である。その名の示す通り、18種類の史書をもとに書かれた通史である。①史記、②前漢書、③後漢書、④三国志、⑤晋書、⑥宋書、⑦南斉書、⑧梁書、⑨陳書、⑩魏書、⑪北斉書、⑫後周書、⑬隋書、⑭南史、⑮北史、⑯新唐書、⑰新五代史、⑱続資治通鑑長編。①~⑰までの史書は、いずれも紀伝体で編纂された正史である。『十八史略』の著者は、宋末の曾先之(そうせんし)という人である。2023/12/28
えび
3
久しぶりに読んだけど、本当に中国の歴史は面白い。人間の欲と残虐さ、その中でも正義を貫く人や名君の話など読んでいて飽きない。 一冊の本の中でどんどん時代が移り変わっていく訳だけど、滅亡する時はたいてい世継問題や、皇帝の周囲の腐敗が多い気がする。 しかしこういう歴史を見てると女性が皇帝に関わるとろくな事無いな…と言うことが多く、なんかちょっと虚しい。 今は国ではなく同じような事が会社内で行なわれている事から人間って昔から変わって無いなと思う。2022/01/29
沖縄電鉄社長
1
「新書漢文体系」の存在を知った。2018/02/04
ソルト佐藤
1
いくつかでてくる抄訳の中では南北朝の記載が多かったので購入。どうしても、この時代は省略されてしまうことが多い。他の時代も結構厚く記載。これは拾いものだとおもったら、安史の乱で終わっていた!うーんとおもいつつも、我々日本人的には、中国の歴史はそのへんまでしか知識がないきもする。安史の乱が周辺国にとっても何かのタイミングだったのかもしれず。2010/04/10