内容説明
会津藩藩主加藤家の重臣、堀主水。先代の死後、その子明成にも、家老として変わらぬ忠義を尽くそうとするものの、日に日に要職からはずされてゆく。どうすれば明成に正しい道を伝えることができるのか。主水は諌死すら覚悟し手を尽くすが…。名作家・田宮虎彦の大作。
著者等紹介
田宮虎彦[タミヤトラヒコ]
1911年8月5日東京生。高知、神戸などを移り住みながら神戸一中、三高、東大を卒業。同人誌「日暦」「人民文庫」に参加。戦後『霧の中』や『落城』等黒菅物と呼ばれる歴史小説の連作で注目を集める。また『絵本』(芥川賞候補作品、毎日出版文学賞受賞)『菊坂』『足摺岬』など格調高い自伝的作品でも知られる。1988年4月9日没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひろゆき
1
あの『落城』の田宮虎彦、ということで。主君との葛藤のため会津から一族郎等で脱走した家老の物語。脱走後半になっての逃走劇での、個々の心情に立ち入らぬ群像の点々とした描写はスケールを大きくしていて、『落城』を思い起こしました。前半の主人公の心情中心の書き方から後半はがらっと変化する感じ。まとまりとしてはどうだろう?新聞連載のためか?森鴎外の『阿部一族』の脱走篇。2012/11/04
もりちゃん
0
暗君に疎まれたが故に全てを失う男(家老)の話。嫉妬、中傷、怨嗟など、あらゆる負の感情に包まれ、戦国の世を生き抜いた歴戦の勇者も悲劇的な結末を迎えます。まるでヨブ記を見るような…江戸の初期、会津藩で起こった実話を、田宮虎彦が明悧な筆致と壮大なスケールで描いています。2017/04/04
さらちゃん
0
古さを感じなかった。2012/03/07
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